- 【 講談社ストアはこちら 】 - 西尾維新最新作『恋物語』やAKB48の『指原莉乃1stフォトブック』など今人気のタイトルや特集は講談社ストアへ。
登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
いのちなりけり さやの中山,
By 町田の丘 (東京都町田市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 白道 (講談社文庫) (文庫)
西行が決死の覚悟で、二度目の奥州行きに旅立ったのは69歳の夏である。東海道を下る旅の途上で、彼は生涯の絶唱ともいうべき歌を詠んだ。「年たけて又越ゆべしと思いきや 命なりけりさやの中山」 東大寺の復興資金を藤原秀衡に仰ぐこと、途中鎌倉に立ち寄り、頼朝から送金安堵の了解をとりつけること、併せて追討の院宣が下っている義経の処遇・奥州藤原一族に対する鎌倉幕府の意向を探ることなど様々の使命があったにせよ、この齢での奥州行きはまさに命がけであったろう。 瀬戸内さんがこの作品を書きだしたのは68歳である。主要な学術書を通読し、西行が旅し、庵を結んだ殆ど全ての土地を訪れ(法衣に長靴をはいて雪山に分け入っている)、そこにたたずみ、西行の歌境を観照し本書を書きあげている。この精力・情熱はどこからくるのか。全く圧倒されてしまう。 著者の出家決断の理由もこれこれと箇条書きできるほど単純明白なものではなかったらしい。「明快な答えが自分の内部から出てこないのにじれて」西行や良寛,一遍の探求に向かったのかもしれぬ、と告白されている。西行23歳の出家は依然謎であるが、同じ葛藤と決断をくぐった作家が描く西行像だけに納得する読者も多かろうと思われる。 高野山にこもり、大峯山で修行し仏道を究めんとしているのは事実だけれど、彼の生涯は悟りを得て「花の下にて」安らかに眠った仏法僧などとはとても言えぬ人間くさいものだ。この世ははかなく、一切が空しいと悟りすますには彼はあまりに人間的だった。 「さやの中山」を詠むまでに彼は、待賢門院、鳥羽法皇、崇徳院、清盛の死と平家滅亡を見てきている。自らは生きながらえて、再びさやの中山を越えようとはまさに「いのちなりけり」だったのである。桜花に魂を奪われる西行、待賢門院への思慕、崇徳院の悲劇的運命に涙する西行、この多面的で魅力ある人間像を解くには残された歌しかないのだが、瀬戸内さんの歌釈には流石に納得することが多かった。
5つ星のうち 4.0
心惹かれる,
By
レビュー対象商品: 白道 (講談社文庫) (文庫)
瀬戸内さんの小説は読んだことがなく、エッセイ程度のお付き合いだったが、この本は小説ともエッセイとも読めるような瀬戸内さんの心の伝わるいい本だ。 西行と自身の出家の類似性を感じながら、西行の旅の道を辿って確信していく。 小説というより季節感にあふれた素晴らしい旅のエッセイだと読みながら思う。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
|
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|
|