表題作「白眼子」の主人公は、盲目の霊能者(?)。彼の数奇な生涯を、戦災孤児の少女の視点を通して描きます。
たった百五十ページしかない作品ですが、ものすごく深い、静かな衝撃に満ちています。2000年に「コミックトムプラス」に連載されていた時読んでいたのですが、いま改めて読んで、不覚にも人前で涙を流してしまいました。
主人公は依頼人の運命や、行方不明者の消息を言い当てる仕事をしています。それはけっしてエキセントリックな超能力ではないし、格好良くもない。言ってることはしごくマトモで地味。それなのに、読む者の心を揺さぶるのです。
人間に対する信頼、過酷な運命から逃げずに生きる勇気を与えてくれる本です。どんな年齢の方にもすすめたい。年を取れば取っただけ、この作品から読み取れるモノは大きいと思うから。
とっても短い作品ですが、漫画家・山岸凉子の偉大なマイルストーンだと思います。私も、この作品に勇気づけられた一人ですから。