2010年に生誕100年を迎えたためでしょうか、近年とみに白洲正子の功績や文章が再評価されていると感じています。高度成長の真っただ中の頃、このような日本古来の伝統美について実に見識高く記し、その審美眼は時代を超えて伝わってきました。
本書は白洲正子が愛した奈良・大和路にある十一面観音を取り上げ、彼女の文を引用しながら、豊富な美しい写真で紹介したムックでした。
本書の内容です。
十一面観音の故郷 大和路へのいざない
洞窟の観音 青柳恵介
■巡礼その一
室生寺 日本の神の源を遡り、たどり着いた聖地
長谷寺 “こもりく”にみちる古代の香り
聖林寺 ひっそりしたたたずまいの中に美仏がおわす
■巡礼その二
法華寺 清らかな空気に包まれた光明皇后ゆかりの尼寺
秋篠寺 「伎芸天」に加え、名宝が並ぶ古刹
唐招提寺 鑑真ゆかりの古刹にある、知られざる三体
薬師寺 東塔や薬師三尊の美しさに見惚れ、時間を忘れる
■巡礼その三
勝林寺 高安から安堵へ。小さな糸口から古代史を歩く
法起寺 コスモスの向こうに現れる美しい三重塔
法輪寺 飛鳥時代そのままに再建された三重塔
■巡礼その四
矢田寺 「あじさい」と「お地蔵さん」で人気の山寺
霊山寺 登美の山に住む仙人が祀っていた薬師の霊験
王龍寺 富雄川が生み出した貴重な磨崖仏
■巡礼その五
長弓寺 古代の怪鳥伝説が息づく神話の里
観音寺 小さなお堂の観音像に歴史が満ちる
海住山寺 観音浄土を彷彿とさせる山上の古寺
観菩提寺 「お水取」に先駆けて行われる「正月堂」のお祭り
■エッセイ わたしが読んだ白洲正子
室生の里のドラゴン・クエスト 鶴岡真弓
「見ること」への深層の旅 平松洋子
暴発の気配 堀江敏幸
■コラム より道 まわり道
1 「水神」を探して歩く 室生〜大野〜赤目
2 菅原道真は“大和生まれ”だった!? 秋篠〜西大寺〜菅原
3 「お水取」を始めた人 実忠 笠置〜島ヶ原
白洲正子年譜 美と旅に生きた、88年の人生
十一面観音早わかり/仏像各部の名称/用語解説