文庫化されてお手頃感が出てきたので、読んでみました。一気に読ませる内容で、とても面白かったです。(本書を読む上で終戦直後の歴史について少し知識があった方が内容に入り易いかもしれません。(「
そうだったのか! 日本現代史」はオススメです))
白洲氏の"伝説"(※)もさることながら、太平洋戦争敗戦後の日本が米国占領から解放され、国際社会に復帰するまでの経緯がよく分かりました。新憲法が作成される経緯(GHQとの暗闘)とサンフランシスコ講和条約・日米安全保障条約締結の経緯は特に興味深く読めました。「吉田茂の懐刀」と呼ばれた白洲氏、本書では凄くカッコイイです。欧米を実際に見聞きしてきたからこその"視点の高さ"、そしてGHQ高官を相手に丁々発止やりあった"日本人として矜持"がジンジンと伝わってきます。官僚を相手に省庁統合をやり遂げる姿も痛快です。
余談ですが、本書の「占領下での日本の状況」を読んでいると、現在のイラク情勢にも思いを馳せざるを得ませんでした。イラク戦争の戦後処理は『日本のケースを参考にする』というような話があったかと思うのですが、「本書で描かれているような状況がイラクにもあったりしなかっただろうか?」とか思わざるを得ませんでした。
(※)物語としては面白く読めます。但し、当事者しか知りえないはずの情報にも踏み込んで書かれている多々あり、記載されている全てが"真実"かと言われると、それは確かに違うかもしれません。(しかし、これは巷に溢れるノンフィクションもの 全てにおいて言えることです。モノの見方には"Yours, Mine, and the Truth"の少なくとも3通りあることを忘れてはなりません) 日本現代史に、こういう人物が居たということを知る機会を与えているという意味で、本書の果たす役割は決して小さくないと思います。