生前の白洲次郎氏を知る、多様な人々がそれぞれが捉えた“白洲次郎という男”について語っている本である。美しい写真が多数掲載されている。それは白洲氏の愛用品であったり、彼の暮らした家であったり、彼自身の写真であったりする。青年時代の白洲氏も、忙しく働いていらした頃の白洲氏も、お歳を召されてからの白洲氏も いずれもとてもハンサムで、そしてチャーミングだ。趣味の良さにも ため息が出る。ロンドンで誂えたタキシード、合わせるサスペンダーは美しい赤。なんてお洒落なんだ! けれどおそらく、彼がそれらを身につけたときには「お洒落してますっ!!」という様子は 全く見られなかったのではないか、普段から着ているかのように身になじんで粋だったのでは、と想像する。
語られる白洲氏のエピソードはどれも楽しく読める。とてもユーモラスなエピソードもあり、思わずにやにやしてしまうほどだ。とても魅力的な人だったんだろうなあ、でも敵にまわしたらこっぴどくやられちゃうんだろうなあなどと想像してしまうほど、人々が語る“白洲氏像”はイキイキとしている。白洲氏に少しでも興味のある方は、特にプライベートの白洲氏に興味のある方は 必見の一冊である。