この映画は11年経っているが、大阪で開催されたEXPO'70の「せんい館」を彷彿した。せんい館は横尾忠則監修の前衛芸術が溢れるパビリオンだった。しかしこの映画の内容は???だ。監督の武智鉄生は勘違い似非アーティストなのだろうか?何れにせよこの手の映画はストーリーに日常性がないので、秀作か駄作かにハッキリ分かれてしまう。53歳とは思えない美しい肢体の佐藤慶と顔自体が○器のような愛染恭子のHシーンがダラダラ長いとの評判だが、それは全てのシーンに言えることだ。原作者が谷崎潤一郎で佐藤慶が出演しているからもっているようなものだ。本当に突っ込みどころの多い映画だ。楽しかったのは、終盤青年から逃れる愛染が辿る繁華街が大阪ミナミだったことだ。おそらく心斎橋大丸から道頓堀の戎橋(通称ナンパ橋)を経てなんばCITYというショッピングモールのB2Fにある人工池(改装後、現在はない)を辿る。地元住人には嬉しい。それでも好きなシーンはある。洗車のシーンだ。フロントガラスに容赦なく水が叩きつけられる中、バックミラーに愛染の憂鬱な顔が映る。音楽も相まって美しいシーンだ。これも長々と、人によっては退屈なシーンだ。 せんい館の映像ドームで映し出されるスペース・プロジェクション。天井から壁面にかけて女性の裸体の彫刻があり、その上を映像と音楽が駆けめぐる。コンパニオンさんのイントロダクションが印象的だった。「別にストーリーはございません。感覚的なものでございますから、お客様がお好きなように解釈して頂いて結構でございます。お解り頂いてもお解り頂けなくても結構でございます。」