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146 人中、130人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
いつまでも余韻の残る作品,
By よしくん (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 白夜行 (集英社文庫) (文庫)
総ページ850程度、全13章からなる物語。ライトノベルなら3冊分はあるボリューム。主人公の雪穂と亮司の小学校時代から19年後までが 淡々と語られる。なぜ淡々かというと、主人公二人の内面心理の描写が全く なく、他の登場人物の目を通じてしか二人をうかがい知ることができないから だ。加えて、物語はある殺人事件に端を発するが、犯人や犯行方法は途中で 暗示され、焦点は事件の解明ではなく今後の展開に移っていく。だからこの 物語はミステリーというよりは叙事詩だ。 読み進めていくごとに、二人の関与がほのめかされ、そして徐々に真相が 明らかにされていくにつれ、背筋の凍る思いが募っていく。ノワールの傑作 と評されることにもうなずける。 だが、真に驚くべきことは、とうとう最後まで二人の内面が一切明かされない ことだ。稀代の悪女と犯罪の天才。二人はどのように結ばれ、何を目指したのか。 いや、亮司はなぜ雪穂の影で在り続けようとしたのか?これに対して雪穂は亮司 に何を与えたのか?雪穂は亮司を愛していたのか?二人に潜む闇はあまりに深く、 ありきたりの想像や感情ではとうてい推し量れるものではなかろう。 しかし、こうした思いに対する答えはない。ないのである。 だから読後もふとした拍子に雪穂と亮司の物語に思いを馳せてしまう。まさに いつまでも余韻が消えないのだ。なるほど、これが東野ワールドか・・・。
63 人中、55人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ドラマがきっかけの人は注意,
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レビュー対象商品: 白夜行 (集英社文庫) (文庫)
この小説は分類が難しい。犯人や人物の関係は一応伏せてはいるものの、あえて比較的早い段階でわからせてしまう。そういう意味で、事件のその後日談であり、結末への過程をなぞる物語であるが、最後までその心情を明確に語られるわけではない。同じベクトルを持つ二本の糸を語りつつ、決してその交わりを語らない。なぜなら、この交わりこそがこの小説のテーマであり謎だから。これは映画化はともかくドラマ化は難しい。少なくとも小説と同じ視点で1クール引っ張ることはできないだろう。と思っていると、恐るべし、ドラマはラストをいきなり最初に持ってきた。そしてドラマを観てわかったことは、ドラマは、小説で語られることが無かった主人公たちの心情や交わりを中心に語るということ。確かにドラマ化するにはそれしかないだろう。しかし、その時点で読者は気をつけなければいけない。 ドラマで語られている心情は、製作者や脚本家が感じた彼ら自身の視点によるもの、または脚色したもの、作り上げたものであるということ。本小説を先に読んだ私はドラマとは違った印象を持っていた。しかしながら、ドラマを観たときに「そういう視点もあるな」と感じた。確かにいろんな見方ができる構成や表現方法を用いている小説である。 もし、私が今読み返したら、初めに読んだ時とは違った視点で読むだろう。そしてそれは確実にドラマの視点に影響されているはず。ましてや、ドラマを観た後に初めて読む人はどういう視点で読むのだろう。 本作は非常に暗く、絶望に満ちた、暗い作品である。そして、ドラマは主人公たちの立場に立ち、心情に視点を当てているために、少なからず希望やさわやかさを強調している。しかしそれはドラマの特性であり、いち読者の解釈に過ぎないという事を肝に銘じて、今から読む人には自分の視点や感性を大事に読んでもらいたいと思う。
86 人中、74人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ドラマと原作の違いを堪能,
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レビュー対象商品: 白夜行 (集英社文庫) (文庫)
東野圭吾さんの作品を読んだのは、江戸川乱歩賞を受賞した「放課後」という作品につづき、2作品目です。現在TBSで放映中の『白夜行』というドラマに影響され読みました。 多くのドラマが、原作をたたき台にしつつも、原作とは違う物語の展開になることが多いように、『白夜行』の場合も、細かい点で原作とドラマとの違いが見受けられました。 ドラマの場合、はじめから主人公である亮司と雪穂との関係性がはっきりと描かれていますが、原作ではある程度話が中盤にさしかかかってこないと2人の接点がほとんどわかりません。 ドラマでは、ゆがんだ愛情ながらも、雪穂と亮司、そして2人をとりまく人たちとの心の葛藤や苦悩が描かれていますが、原作では、亮司と雪穂の心情(本心)を、本人の口から語らせることなく、周囲の人たちが推理していくという手法を使っているため、彼らが何を考え自滅かとも思える行動にいたるのか、推察するのが難しい。その推察するのが難しい点が、かえって本格的なミステリーとしての本作品の真骨頂なのかもしれません。 様々なトリックや伏線、「偶然」と「必然」が織り成す人間関係を堪能できるのは、原作が秀でていると思いますし、罪意識がありつつも、ゆがんだ愛を貫く、哀しくもせつない亮司と雪穂の愛情表現を堪能するのには、映像美とあわせ、ドラマが優れているように思いました。 もしドラマをご覧になっていらっしゃらないかたは、原作を読んだ後にドラマを見ると、また違った角度から楽しめるのではないかと思います。
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