毛利さんは、白土さんからの聞き書きを基にこの本を著しました。白土さんは、プロレタリア画家、左翼運動家、唐基の長男として昭和7年に生まれました。父親の左翼活動、戦争、生活苦の為大阪、神戸、東京を転々とし、昭和19年長野県上田市に縁故疎開します。後年この地での経験(いじめ、茸採集、岩魚の手づかみ等)が、後の創作の肉付けとなって行きます。そして、昭和21年岡本登(白土三平)は、弟鉄二と友の東京へ戻ります。親戚の経営する義歯工場でアルバイトしながら、英語学校に通いますが、友人の金野の勧めで紙芝居の世界へ入っていきます。ミスタートモチャン、カチグリかっちゃんを描き(見てみたい!!)生活しますが、やがて紙芝居が衰退してゆきます。白土は、昔の紙芝居仲間の牧数馬の勧めでマンガの世界に足を踏み入れます。
そして、こがらし剣法でデヴューし、同じ頃李春子と結婚します。やがて、白土は長井勝一と知り合い、初の長編マンガ甲賀武芸帳(全8巻、1000ページ以上)を発表します。この本は、最近復刻されていますが、五味康祐の作品にインスパイアーされた初の忍者物、キャラクターの絵柄、描写のテクニックは手塚の影響を大きく受けていますが、デヴュー2作目とは思えないほど完成度が高く、絵のタッチも確りしていますし、話自体もかなり面白い・・ご一読を!!そして、忍者武芸帳 影丸伝です。さすがに私は、全て貸本で読んでいませんが(凄い人気で常に貸し出し中)、戦国大名の覇権争い、一揆に影丸が絡み、手足は切り落とされるわ、首は飛ぶわで・・しかし、全貌を知るのは、ゴールデンコミックス刊行時です。そして、少年にサスケの連載、長井の協力を得て、雑誌ガロの創刊です・・まさに八面六臂の活躍ですね!!ガロ4号から、カムイ伝の連載。唯物史観に裏打ちされた壮大な物語で、学生活動家の愛読書とも称された本です。私もずーっと購読していました。そして、水木、つげ、林等をガロで知るわけです。なお手塚は、これに刺激を受け、雑誌創刊と火の鳥を企画します。
通読して、掲載誌がばらばらなので、内容に統一が取れていない、年号が西暦、昭和等混在等種々の欠点はありますが、白土の生い立ちが、作品に大きく影響している事がわかりますし、噂では知っていましたが、小島剛夕との別れ等興味の深いエピソード満載です。
しかし、カムイ伝どうなるのかな?