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白仏 (文春文庫) 文庫 – 2000/8

5つ星のうち 4.3 24件のカスタマーレビュー

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

筑後川下流の島に生まれた稔は発明好きで戦前は刀鍛冶、戦中は鉄砲修理、戦後は海苔の加工機製造などをしてきたが、戦死した兵隊や亡き初恋の人、友達、家族の魂の癒しのため島中の墓の骨を集めて白仏を造ろうと思い立つ。明治大正昭和を生きた祖父を描く芥川賞受賞第一作。1999年仏・フェミナ賞外国文学賞を日本人初受賞。

内容(「MARC」データベースより)

鍛冶屋から身を起こした〈鉄砲屋〉稔は、島中の墓の骨を集め仏像に造る事業に晩年を捧げた。明治・大正・昭和を生きた著者の祖父をモデルに描き、魂の癒しとは何かを問う。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。


登録情報

  • 文庫: 299ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2000/08)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 416761202X
  • ISBN-13: 978-4167612023
  • 発売日: 2000/08
  • 商品パッケージの寸法: 15.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3 24件のカスタマーレビュー
  • Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 422,027位 (本の売れ筋ランキングを見る)
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形式: 文庫
この小説の舞台となっている福岡県大川市大野島の出身の者です。

辻氏が郷土大野島を題材にした小説を書いていることは出版直後から認知しておりましたが、「どうせ大野島のことをいい加減に書いた『チャラい』小説だろう」と勝手なイメージを抱いてこれまで読まずにいました。

ところが、実際にはそのイメージとは全くの正反対。大野島のことを島民以上に理解しており、しっかりとしたリアリティの元に構成されています。また、作品の内容自体も「チャラさ」は皆無であり、硬派な哲学小説でした。

以下、レビューにあたっては、他の人でも書けるようなことではなく、あくまでも大野島出身者としての感想に特化して書かせていただきます。

まずはそのリアリティに驚きました。作中ふんだんに使われている方言、これはまぎれもなく筑後地方の大川の言葉です。となりの柳川市とは99%言葉は一緒ですが、その1%の違いもしっかりと使い分けてあります。
また、作品中に描かれる大野島の風景は実際に大野島に存在した風景です。辻氏が柳川お花で執筆した1997年当時の大野島ではなく、辻氏の祖父「みのるしゃん」が生きた時代の渡し船があった大野島の風景です。現在の大野島は3カ所が橋でつながっており殆ど島であることを感じさせませんが、渡し船時代の大野島はまさしく「島
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形式: 文庫
著者辻氏の母方の祖父「鉄砲屋今村豊」をモデルとした創作。

主人公の鉄砲屋稔が、兄や思いを寄せていた女性、友人、息子などとの死別、自身の戦争体験などを通じて、生とは何か、死とは何かを見つめ続けながら生きていく。

重い内容であるが、九州弁を使った辻氏のテンポの良い文章が読者に暗さを伝えない。

正直、辻氏がこれほどの本を書くことができると思っていなかったので、驚きと感銘を受けた。文句なしの5つ星である。

なお、本の題名の「白仏」は、福岡県大川市大野島「勝楽寺」の納骨堂に実在するそうである。機会があれば、訪れてみたいと思う。
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形式: 文庫
この作品は、晩年に島民の骨で「白仏」を作り上げた、著者の祖父をモデルにして描かれたものである。

祖父の人生を描き切ることで自分の起原を知りたかったという、あとがきに記された執筆の動機からはパーソナルな作品とも受け取れるが、連綿と続く命の連鎖の意義を求めようとするような、大きな主題を持った作品だと思う。

事業家だった自分の盛衰、周りの人々との出会いと別れの末ににたどり着いた死生観を具現化させたものが白仏であるなら、少なからず主題の問いの答えはそこに結実しているといえる。

なお、この作品はフランスでも翻訳出版され、女性だけの審査員によって選定されるフェミナ・エトランジェ賞を受賞している。
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形式: 文庫
辻文学の一番の魅力は、様々なテーマを通して人間という生き物の本質を探究する姿勢だと思う。この「白仏」はダイレクトに辻仁成の死生観を描いているのではないだろうか。生き物にとって避けることのできない「死」の本質を問う作品なわけで、高い評価を得るのも納得。「死」と「生」とは表裏一体。多くのファンの人生観を揺るがしたことと思う。  辻仁成が三島文学や太宰文学の強い影響を受けていることは周知の事実だが、「白仏」は三島の「春の雪」を読んでいる気がして不思議な感覚に陥る。若い青年が性欲と恋心のバランスがとれずに暴走してしまうシーンなどは「春の雪」のまんまじゃないだろうか?そこに輪廻転生も加わると、不思議さは増すばかりだ。  辻仁成のオリジナリティーこそ、この時代に必要なものなのに・・・。少し残念な気がする作品だった。
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形式: 文庫
作者の書きぶりのせいか、非常に淡々とした速度で物語が進行していくような感じをうけました。それは戦争のシーンでも、恋に焦がれる場面でも、近親者の死を描く時も変わらなかったと思います。主人公の老成とともに物語もクライマックスになります。終盤近くになると、読んでいるものも穏やかな気持ちになれるような展開がもたらされます。読み終わったあとに、「いい人になりたい」というような気持ちになりました。通奏低音のように一定に響いていた、物語の“リズム”が本を閉じた後も胸に響きます。不思議な本でした。
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