本作は「恐竜と人間が共存するというファンタジー」を描いた「恐竜漫画」である。
「恐竜」が描かれた物語は、これまでにも数多く存在している。
古くはコナン・ドイル『失われた世界』をはじめ、
近年ではロバート・ソウヤー『さよならダイノサウルス』やロバート・バッカー『恐竜レッドの生き方』といった名作があるし、
日本の漫画では、手塚治虫『ロストワールド』や石森章太郎『原始少年リュウ』などを思い浮かべる向きもあろう。
だが、これらの名作と並んで、僕がとくに本作に魅力を感じる理由は、
作者が「恐竜」という地球上にかつて実在した生き物を最新の恐竜研究の成果を元に丹念に描いている点、
そして、その「恐竜」を題材にして壮大なるファンタジーを創り上げようとしている点、
この二点にある。
作者は恐竜を「科学的にもリアルな生物として描こう」と心がける。
日本では「恐竜」と言うとどうしても子供向きというイメージが強いが、
「恐竜」という生き物の在りし日の姿を復元するという作業ってじつは大人ならでは楽しみ方なのかも・・・
本作からはそんな作者の強い想いが伝わってくる。
良いSFやファンタジーの条件は「大きな嘘はつくがディテールでは嘘はつかない」ということだと聞くが、
恐竜と人間との共存という「ありえない設定」のもとで、
ディテールでは限りなくリアリティを追求するという本作はまさしくその条件を満たしていると言えよう。
巻を追うごとに深まっていく人間ドラマも本作の魅力のひとつである。
『降臨の書』とは?「閉ざされた環」からの解脱とは?
「オフタルモスの目」は何を見通しているのか?そして、「禁制地域」の先には一体何があるのか!?
現在、第4巻まで出ているが、今後の展開がとても楽しみである。
これはアニメ化されたらかなり面白いんじゃないだろうか──