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白の断章 (講談社BOX)
 
 

白の断章 (講談社BOX) [単行本(ソフトカバー)]

鏡 征爾
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

流水大賞受賞作! デビューにして奇跡! 胸に絶望の闇をもつ俺は、こめかみに蝶の自傷痕をもつ少女と出会った。復讐の果てに俺たちがたどりついたのは会ってはならぬ怪物だった。悪夢の循環はまだ続く。

内容(「BOOK」データベースより)

出発にして奇跡!処女作にして究極!胸に絶望の闇をもつ少年と、こめかみに蝶の自傷痕をもつ少女との運命の出会いを描く、白熱の青春小説、ここに誕生。講談社BOX新人賞・流水大賞初の大賞受賞作。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 368ページ
  • 出版社: 講談社 (2009/5/8)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062837080
  • ISBN-13: 978-4062837088
  • 発売日: 2009/5/8
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.2 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 522,548位 (本のベストセラーを見る)
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14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
まずこの作者は志が高い。前年に流水大賞優秀賞を受賞しデビューした小柳粒男や泉和良とは比較にならないというか、比較すること自体失礼だ、と思わざるをえないほど、作者が見据えている作品のレベルは高く、作家としての実力も遥か上をいっている。極めて論理的な文章を構築する能力があり、一つ一つの文節の密度が濃い。
だが反面ストーリーに緩急がなく、「どうでもいいだろ」と思うような描写が多々ある。面白くないというか、知的好奇心を刺激されない。作者からすれば必要な細部だったのかもしれないが、書き込めば書き込んだだけ得るものもあれば失うものも当然ある訳で、読者にとって退屈だったり、物語上必ずしも必要ではない情景、伏線でも何でもない描写の場合、一人よがりな表現と紙一重ではないだろうか。主人公から全能感を消しているところは評価するが、全体に登場人物から魅力を感じない。ステレオタイプというか無難というか、ストーリーそのものにも言えることだが、かなり既視感がある。ミステリとしては衝撃に欠けるし、描かれている人物はみんなヌルい。物語もヌルい。「あなたは何がしたかったんですか?」という作者に対する疑問が残る。
この作品が新しいか否か判断するなら、正直なところ古い、と個人的には思う。文章のレベルは高いのだが、読み進める上で苦しいし、疲れる。たとえるなら、お寺や神社でよく見かける一段一段が奥行きのない階段をずっと昇らされているような感覚だ。文章が流れない。駄目という訳ではないが、京極夏彦や舞城王太郎、西尾維新などの文体が持つ心地良さは、求めたところでないということだ。
この作品から「優れている」という印象は受けるが、「スゴい」とか「ヤバい」という次元には届いていない。けれど間違いなく才能はある。この作者が純粋に「面白い」方向へ突き抜ければ、衝撃的傑作が生まれる可能性は十分にあるはずだ。
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9 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
圧倒的 2009/6/18
By tennsei
形式:単行本(ソフトカバー)
第五回目にして初の大賞。系列のファウスト賞から含めると九回目にして初の快挙。かの太田克史氏が出した、最初にして最後の受賞者
これだけで相当な期待が作者にかかった筈だ。だが読了して、了解した。
とにかく、すごかった。だが、何がすごかったのか、読み終えた今でも、正直よくわからない。もっといえば、一言なんかでは言い表わせないような、そんなタイプの熱量とか過剰さみたいなものが、この作品にはある。
圧倒的だったという言い方がたぶん一番しっくりくる。
この作品は正常なようでいて、色々ありえない。まず暗黒の復讐譚にガッチガチの熱血スポ根がぶち込まれ、しかも奇妙に組み合わさっている。映像的で感覚的な美しい描写に、突如としてユーモアが紛れ込み、暗く沈みすぎない。近代小説の文学的伝統を踏襲しつつ出発し、ライトノベル的な物語へと接続したかと思うと、また文学に回帰する。
それが、なぜか閉鎖的でなく開かれたものとして、圧倒的な読後感を生む。文学を「ファウスト系」で割ってぶっ壊した感じ、といった方が感覚的にはわかりやすいかもしれない。だが、ファウストや既存のエンタメなどをぶっ壊したものではないのだ。
感覚的なタイプな印象は受けるが、一定のバランス感覚も備えている(この世界観で「殺人する少年」を成立させる為に或る仮構を施したのは見事としかいいようがない。復讐譚熱血スポ根のギミックは、スタンガンという装置を使うことで作品の世界観を安定させなければ、成立しなかったはずだ)
よくも悪くも、才能でブン回している感はある。人を選ぶことも間違いない。だが作者の天才すら感じた傑作だった
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