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白い旗 (講談社文庫 み 36-13)
 
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白い旗 (講談社文庫 み 36-13) [文庫]

水木 しげる
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

水木しげる戦記ドキュメンタリー完全復刻!昭和20年硫黄島。米軍に包囲された状態で、日本軍は必死に戦っていた。だが戦力は尽き、玉砕か降伏か心が揺れる。戦争を体験した著者が問う、人間の尊厳とは。

登録情報

  • 文庫: 312ページ
  • 出版社: 講談社 (2010/7/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062767392
  • ISBN-13: 978-4062767392
  • 発売日: 2010/7/15
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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35 人中、34人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 戦争の語り部としての持ち味が十二分に発揮された傑作中編集, 2010/7/17
By 
紫陽花 "玲瓏" (神奈川県相模原市) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: 白い旗 (講談社文庫 み 36-13) (文庫)
「白い旗」、「ブーゲンビル上空涙あり」、「田中頼三」、「特攻」の四つの中編を収めた作品。水木先生の戦争体験に根差した貸本マンガ時代の作品で、戦争の悲惨さが迫力ある描画で映し出されている。

「白い旗」の舞台は硫黄島。兵士も武器も水も食糧も無いのに無為な闘いを試みる陸軍に対し、部下の命のために敢えて「白旗」を掲げる海軍将校の姿を通して、命の尊さ、戦争が持つ無意味さ・狂気を描いた悲痛な作品。ちなみに、上記の海軍将校のモデルは水木先生の兄上の親友の由。「ブーゲンビル上空涙あり」は、山本長官搭乗機の撃墜の真相を、アメリカ側の資料に基づいて再現したもの。日本側の暗号が筒抜け状態だった様子や戦闘機・南国島の風景の写実的描写が光る。アメリカ側の執念(Remember Pearl Harbor)も伝わって来る。「田中頼三」はガダルカナルが舞台。"コマねずみ"の様に駆逐艦を操り、アメリカ軍を翻弄した田中少将と言う、日本人にとって馴染みの無い将校の活躍を描いた痛快劇。決して戦争賛美ではなく、アメリカ軍の間では有名だったと言う田中少将の様な埋もれた人物を記録しておきたいとの水木先生の義侠心が発露されたものだろう。「特攻」の舞台は沖縄。撃墜王と呼ばれ、戦艦大和を守ろうとした一飛行士と、「特攻」を志願したその弟との交流を通して、「戦争と生きる事の意義」を追求した力作。「死んだ人間は再び生きて返れない」、「過ぎ去った過ちは二度と繰り返してはならない」とのメッセージが胸に迫る。

いずれも、水木先生の想いがストレートに伝わって来る佳作。戦争の語り部としての先生の持ち味が十二分に発揮された傑作中編集。
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23 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 貸本マンガの雰囲気を濃厚に伝える作品, 2010/7/20
By 
sirou55 - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 白い旗 (講談社文庫 み 36-13) (文庫)
「貸本マンガ」の作品を、原稿はなかったが残された本から起こしたもので、細かい線はつぶれてしまっていると思われるが、当時の「貸本マンガ」の雰囲気はよく伝わってくる。全て海軍の話で、当時奥様と一緒に軍艦のプラモデルを製作していたというエピソードが「ゲゲゲの女房」でも紹介されているが、確かにマンガを描くときに参考になっただろう。

「白い旗」の主人公は著者の兄の親友で、戦後数年経ってから、著者の母親が雑誌にその親友のことが書かれてあると手紙をよこし、それは「奇妙な戦死」であり、母親がそれをマンガにしろといったのがきっかけで作品になったことをあとがきで紹介している。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 想定外の任務もこなした駆逐艦部隊の模範・田中頼三少将を活写, 2010/11/2
By 
ワクロー3 (扶桑蓮池) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)    (トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 白い旗 (講談社文庫 み 36-13) (文庫)
 地方都市で育ったので、田舎にまだ貸し本屋が現役で存在し、この本に収録されている「田中頼三」は、繰り返し借りて読んだ1冊だ。後世、人気漫画家となる、水木しげるさんの作画と知らずに、繰り返し借りた。
 それで、このシリーズで再会したときに、「これも水木さんだったんだ」と感激する。

 海軍の要請で飛行場奪回のため上陸したものの、奪回に失敗。ガダルカナルに孤立する陸軍への夜間補給任務を、戦闘部隊である田中提督の駆逐艦部隊が担当した。輸送船の倍の速力がある駆逐艦を、輸送船の代役としたわけだ。敵の航空機が来ない、夜中にでかけて帰ってくる。速力がないとできない芸当だ。

 甲板には補給物資を満載し、会敵に備えて、魚雷の半数も残し、制海権も制空権も敵中にある海域に向かい、補給任務を実施し、何度もでかけて戻ってくる。

 だが、ある日、補給物資を満載した艦隊は、ついに会敵。砲数も装甲も勝る巡洋艦多数を擁し、圧倒的優勢の敵艦隊に対して、やむをえず魚雷戦を挑む。片手しか自由がないのに、大勝利。

 戦闘部隊なのに補給任務を行うという、困難な想定外の任務を黙々とこなし、必要とあれば、本来の使命を果たす田中提督の姿に、子供ながらに「こう、ありたい」と胸に刻んだものだ。

 水木しげるさんが南方海域の海戦を描いた作品は、この時期に多い。
みずから赴いた戦場の海域で行われた海戦には、ことのほか、思い入れが強かったと思う。
 「姑娘 (講談社文庫)」でものべたが、貸本時代の作画は、戦争への情念がこもった、水木しげるさんの作画の原点ともいえる。
 この画風は「墓場鬼太郎」にも引き継がれ、テレビアニメ化以前の、濃厚でべた塗り情念のペン画としての迫力がすざましい。
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