お盆に帰郷した悟史が、13年に一度執り行われる大祭の夜に体験する不思議な物語である。
昔から独自の風習と習慣を持ち、白蛇を神と崇める離島「拝島」は、島外者を嫌い寄せ付けない。
この舞台設定は、横溝正史の描く村社会に似ている。しかし、主人公を少年達にすることと、外周を海に囲まれた離島とすることで、横溝作品とは違う開放的な部分がある。
同年代の長男を義兄弟として育てる「持念兄弟」の慣わしも、悟史と光市を幼なじみというよりも強く交感できるものとして、効果的に作用している。
静謐な雰囲気をたたえながら、大祭を迎えるあたりで動的に移行していくが、それはこの話のテンポにもつながり、それはバランスをうまく配した構成だと言える。
なお、この作品は「白蛇島」に加筆、改題したものである。