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発達障害 境界に立つ若者たち (平凡社新書)
 
 

発達障害 境界に立つ若者たち (平凡社新書) [新書]

山下 成司
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

一見すると普通でも、計算や漢字の読み書きができなかったり、ちょっと“個性”が強すぎたり──社会に居場所を見つけられない、健常と障害の〈はざま〉にいる彼らが、先生に心を開いて語り始めた。

内容(「BOOK」データベースより)

一見、普通なんだけど、簡単な計算ができなかったり、ちょっと変わっていたりしている。だから理解されにくく、“居場所”が見つからない…。そんな、「普通」と「障害」の“はざま”にいる彼らは、実は、とても「ハートがピュア」な若者たち。いま悩んでいること、これからのことを彼らが語った。社会に“居場所”を探している“はざま”の若者たちの横顔。

登録情報

  • 新書: 246ページ
  • 出版社: 平凡社 (2009/6/16)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4582854702
  • ISBN-13: 978-4582854701
  • 発売日: 2009/6/16
  • 商品の寸法: 17.6 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
発達障害についての知識が全く一般的ではなかった20年前から、発達障害を持つ若者たちに関わってこられた著者の、実体験に基づく著作です。

教育の中でも、非常に難しい分野(しかも、公教育の枠組みの外側で)に取り組んでこられた方々に敬意を表します。

子どもが障害を持っているので、
「この子がなんとか将来社会的に自立できるように育てなくては」
思いながら日々すごしているのですが、
示唆に富む記述が随所にありました。

たとえば、

・合宿授業も(・・・)ゆったりと時間をとって生徒にとっても講師にとってもあまり負担にならないようなスケジュールを組むようになりました。(p53)
・誠実さに裏付けられた情熱というものは、無論、教育などという「大それたもの」に立ち向かう場合、それがなければ話にもなりませんが、ある意味、やっかいなもので、ときとして客観的な判断を失わせる側面もあります。ことに障害児教育にかける情熱というものは、ゴールが見えにくく、達成感が得にくいものですから、「情熱」が先走り、空回りし、結果、子どもたちを窮屈にさせることもあるように思います。(p54)
・私はこれまでの授業経験から、こうした難しさ(=学習障害)を抱える生徒たちに「基礎的なことをていねいに指導していけば必ず理解を得られる」といった楽観を、残念ながらすでに持っていません。(p75)

特に最後の部分は、漠然とはわかっていたものの、文字にして目にすると、「やっぱり」とも思えます。

「そういう困難を抱えた人間が世の中にはいる」
ということがもっと広く知られ、
彼らが「バカ」と言われる場面が減っていくことを願います。

実体験に基づく言葉の重みが随所に感じられ、
子育ての先を見通す上でも有益な本でした。
このレビューは参考になりましたか?
17 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 香桑 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
専門書ではなく、解説書でもない。
今はもうなくなってしまった学校に通っていた生徒たちのインタビューで構成されている。制度と状況の変化の波に飲み込まれて消えてしまった学校の紹介が第一部。
第二部が生徒だった人たちの中から6人、生き生きとした様子がインタビューを通じて描き出されている。
LD(学習障害)、アスペルガー障害、軽度知的発達障害、ディスクレシア(難読症)など。
精神医学的に問題があるかどうかではなく、こういった発達に関わる領域は、一人ひとりが困っているかどうか、その人自身が問題なく生活や人生をやっていけているかどうかが、問題なのだと思う。
障害の種類を知識として身につけることは大事ではあるが、この本では障害の名づけは横に置き、彼らが何を感じ、何を考え、どのように生きているのか、実際の様子が見えてくる。
一生懸命に生きているのに、どうしても不遇をかこつ現実が見えてくる。
このレビューは参考になりましたか?
38 人中、34人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
この格差社会で、教育格差にも注目が集まってきていますが、その中で「普通」ってなんだろう…と考えさせられる本でした。この本に出てくるA学院の生徒たちは、たとえば通信簿の成績でいうと、ほとんど「1」。普通が「3」なら、普通以下です。中高生になっても簡単な漢字が書けない、算数も、とくに掛け算、割り算になると、もうアタマがうまく働かなくなってしまうというのだから、いまの世の中で、これはやはり「普通」ではないでしょう。ちょっと変わったところもあったりするから、社会に出ても、大いに苦労します。この日本で「普通で(さえ)ない」ことは、じつに生きにくいことですから…。
しかし彼らはいわゆる「障害児(障害者手帳を持つ)」ではなく、見た目は「普通」であり、「普通の中の底辺」にいる、あるいは「障害児との境目」にいる子どもたちです。こうした発達障害児やその教育についての本はけっこうありますが、この本は研究者や専門家が書いたものではなく、それだけに、読者と同じ目線の言葉で綴られており、問題点がよく見えます。また「〜けれども、どの子もキレイな心を持っています」といった、ありがちな表現で問題をぼかしてしまう生ぬるさもありません。いろんなタイプの子どもたちがいて、たまたまA学院にやってきたイラストレーター(元フォークシンガー)の山下先生と子どもたちの、すったもんだ&てんやわんやぶりは、重いテーマを、なんだかたのしく読ませてさえくれますが、そうしたいくつかのエピソードから、教育というのは本当に大変で、大切で、感動的でさえあるものだということが分かってきます。それは、山下先生が、生徒たちの「現実」を認め、本人にも認めさせた上で、この現実をどうしたらいいんだ、と真剣に考えながら彼らに対しているからです。当然、社会が、こうした子どもたち、若者たちを受け入れるシステムを持たなければいけない。しかし簡単には出来そうにない。といって、こうした「いい先生」に頼っている限り、結局、問題は解決しないでしょう――実際、A学院は廃校となってしまったのです(卒業生は社会に出て元気に働いてはいるけれど、やはり、なかなかうまくいかない)。
教育にも明らかに「格差」がある。それを正すのは、もはや政治だろうと個人的には思います。けれども、まずは現実を知るべきで、教育関係者、現に教職にある人、親、そして(とくに)これから教育界で働こうという若い人たちには、ぜひ読んでほしい本です。発達障害児の教育だけでなく、教育の「本質」について、大きな示唆を得ることができるでしょう。
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