自閉症に関する本は数冊読みましたが、これはまったくもって、優れた本だと言えます。新書で安価に読めてしまうのが申し訳ないくらいです。
さらには、自閉症スペクトラムとはなかなか一緒に論じられない、LD(学習障害)やADHD(注意欠陥多動性障害)も取り上げられていて、これまでの書籍で抱いた「もう一歩、痒いところに手が届かない」という思いも払拭されます。
「自閉症とは」といういかめしい診断基準をいくら知っても、「なぜかそうであるかというとね、世界がこのように見えているからだよ」ことを理解しなければ意味がありません。同時に、その原因は何なのか、どう接していけばいいのか、を知らなければ、役に立たない単なる知識に終わってしまいます。その辺の記述がとても丁寧で、分かりやすいのです。
この本が、大いなる啓蒙書として、多くの人に知られることを願います。
しかしあくまで、知識として知っておきたい人向き。実際に自分の子どもとか身内に発達障害の人がいて、「それではどうすればいいの?」という話になってくると、別の本を探した方が良いと思います。