心理学には昔から興味がありました。記憶は薄れましたが、30年程前、大学の一般教養のテキストには、退屈な印象しか残っていません。一年目の心理学のテキストを想定して執筆されたとのことですが、これを使える今の大学生が、羨ましくなります。
一般向けに出版された書籍を読んでいるだけでも、かなりの知識は蓄えられます。この本では、目新しい事は少ないです。むしろ、読者の興味をかき立てる点では、一般向けの心理学の本の方が、入門には向いているかもしれません。
しかし、それだけでは、知識に偏りが生じるでしょう。基本的な知識で不足したものがあれば、おそらく、この本でかなり補う事が出来ると思います。心理学に興味のある方には、一度は通読をお勧めします。
世間の常識から見れば、違和感のある記述も、中にはあるでしょう。しかし、伝統を否定するものではありません。老舗が、新しい要素を取り入れ、磨きあげながら生き残ってきたように、長く受け継がれ、衰えないものは、原理主義とも教条主義とも異なり、そうやって柔軟に進化するものです。時代の新しい状況にひるんではいられません。
この本に違和感があるとしても、人類の進化をたどり、今後の行く末を考え、できる範囲の柔軟な対応を提案しているのであり、フェミニストの中の勝気な一派が、男女平等を感情的に叫んでいるのではない事をご理解ください。