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当たり前に受け入れてしまう日常の廃れきった技術、そこをイノベートしていく具体的な方法論に満ちています。よくここまで明かしたと感心しきりです。スーパーのカートを5日間で「コンセプトをまとめ」「デザインし」「実際につくる」というTV企画は、導入として本当に秀逸で、血湧き肉躍りながら、IDEOのパワーの源泉である先に挙げたような行動様式の具体例を直視できます。他にもPalmのデザインや、歯ブラシ、医療用機器、様々なイノベーションに圧倒されます。
「イノベーションとはかくあるべき」という様々な実例の中には、Amazon.comの創設秘話みたいな話もあり、宿も決めずに移動しながら電話しつつビジネスをカタチにしていった話なども掲載され、IDEOだけに閉じない、イノベーションの何たるかをつくづく実感させられる構成になっていた。
イノベーションの本は数あるけれども「具体的」にインスパイアーされた度合いでは、他書を圧倒しています。ワクワクしたオフィスで働きたい、仕事でエキサイティングしたい、ブレストを本当に有効活用したい、そもそもイノベートするというはどういうことか真剣に考えたい、様々なエキサイティングなイノベーション事例を知りたい、そんな希望の一つでもお持ちの方は、本書を手にとってまず後悔はしないでしょう。
世界的に有名(だそうですね)なデザイン会社が、自社の例を用いながら、アイデアをどのようにして生み出し、形にしていくのか。また、自由な発想を生み出すためのオフィス環境づくり(ハード/ソフトの両面)をあますことなく披露。翻訳モノにしてはめずらしく、わかりやすい文章です。ふんだんに用いられたカラー写真も魅力。
楽しくてカラフルな小物やおもちゃをオフィスの机まわりに置くことでコミュニケーションが活発になったり、気分も楽しくなるものなんですね。(読後、すぐに実践し、そう感じました)
感銘を受けたのは、ブレーンストーミング(ブレスト)の7つの秘訣。わたしの元上司は大のブレスト好きだったのですが、「ブレスト=糾弾大会」と化していたので、トラウマになっていました。ホントはこんなに夢のあるクリエイティブなものだったのね、と目からウロコ。でも所詮、日本人には無理なこと? と思っていたところ、つい先日読んだ『考具』(加藤昌治著/TBSブリタニカ)のなかで、本書のブレスト法が「アイデアを考えるためのツール」として紹介されていたので、びっくり。日本人なわたしたちでもできるかも・・?と思った次第です。たしか少し前のエスクワイア誌でも、オフィスデザイン特集が。徐々にオフィススタイルも変化しつつあるのかなと感じました。
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