デビュー当時からのファンで、一応最後まで追いかけてみたが、どうもいま一つ。
絵は変わらずきれいだし、人間一人ひとりが自分の問題から目をそらさずに向き合わなければならないというテーマも悪くはないが、読者層をどの辺に絞るか、作者自身が迷っている感じ。大人が読むにはお説教くささが鼻につき、子どもたちが正確にこのメッセージを受け取るには、少々難解ではないか。
終わり方も、不満が残る。ユーリグとクレアは中途半端なままだし、一番言いたいのは、オルフェ兄ちゃん、死なせてやった方がよかったんじゃないか。あのまま父ちゃんと暮らしても、双方地獄だろう。
唯一気に入ったのは、自分の気持ちにきっぱりはっきり率直なフィリニオン。彼女の存在があったから最後まで読んだかな。あの自分の非をきっちり認める強さは見習いたい。彼女がセレスと幸せになれたのだから、まあいいかといったところ。