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痴人の愛 (新潮文庫) (文庫)

谷崎 潤一郎 (著)
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5つ星のうち 5.0 この世で最も幸福な破滅, 2004/10/23
By 人間の屑 - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
淫奔多情な美しい少女・ナオミに翻弄される田舎出の小男を描いた、谷崎の代名詞的名作。
坂口安吾の「白痴」。山田風太郎の「双頭の人」。森茉莉の「甘い蜜の部屋」。
「痴人の愛」だけにかぎらず、知性なき美女をまえに男が堕落していくさまを描くというのは、日本文学のひとつの代表的主題といってもよい。
堕落への欲求と清廉な人格の悲しい葛藤、天秤にかけられたこの対立構造が生み出す緊張感こそが、これら一連の作品群の根幹であるわけだ。
その葛藤、それを経ての堕落へと至るまでの緻密な描写において、谷崎の「痴人の愛」はひときわ完成度が高い。
男と女の無邪気な遊びがやがて狂気をおびていくその過程の描写の巧さは他の追随を許さないものがある。

あらゆる努力も富も人格も、美の前にはただ屈服せざるを得ない。
歳月をかけて人工的に築きあげたあらゆるものが、ただ天賦の美のまえにもろくも崩れ落ちていくという、皮肉に満ちたカタルシス。

それはまさしく狂気だ。嬉々として人間性を捨て去る狂気。しかし人間の幸福は、人間性を放棄するその瞬間、その瞬間以外には存在しないのである。

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20 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 究極の愛の形。, 2005/12/21
「悪女の魅力に引きずられ堕ちて行く男の悲劇」
この小説をそう読む人は多いでしょう。
しかしこれは果たして悲劇なのでしょうか?
そしてナオミは悪女なのでしょうか?

私には、ナオミの譲治に対する愛が感じられてなりません。
馬乗りになってくれと懇願する譲治に一度は恐怖で引き攣るものの、その願いを聞き入れ、女王然として振舞う彼女は、
譲治のマゾヒズムを満足させられる完璧な作られた女王なのです。
愛する男性の変態性に彼女自身が狂っていき・・・・・・
この物語は、少女を自分好みに調教し得た、男の成功物語なのです。
そしてその二人が住む世界は彼らのための世界であり、
私達の評価など受け付けません。
「馬鹿馬鹿しいと思う人は笑って下さい。教訓になると思う人は、いい見せしめにして下さい。私自身は、ナオミに惚れているのですから、どう思われても仕方がありません」
彼らの愛の世界は何物にも邪魔できない二人だけの世界なのです。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 譲治は、実はサディスト, 2008/4/8
By taca (東京都世田谷区) - レビューをすべて見る
男女関係におけるサディズムとマゾヒズムについて
深く考えさせられる一冊。

主人公の男は、いかにもマゾヒスト、といったタイ
プに思えるが、しかし彼は実は、究極のサディスト
ではないだろうか。

ひとりの女を、自分好みの人形に仕立てるべく、自
宅で飼いならそうとする。相手に苦痛を与え、それ
によって快感を得る人間がサディストであるならば、
貧しい境遇の美しい少女を、自分好みにすべく調教
を施し、その行為に快感を覚える譲治は、ナオミに
とって大いにサディストである。

譲治は、自らの行為がサディスト的でありながらそ
の自覚がまったくなく、むしろ相手にとって良いこ
とをしている、相手も喜んでいると思っているのだ
から、尚性質が悪い。

最終的に、ナオミは手のつけようがない悪女となっ
てしまい、調教しようと思った女に情けないほど翻
弄されてしまうのは、皮肉な結末である。しかしな
がら、男としての魅力に欠ける譲治が美しいナオミ
を獲得できた事は、充分過ぎる勝利であった。

不器量、かつ女心の分からない無粋な男が、好きに
なった女性を一方的に愛し、可愛がる行為は、他人
から見れば単なるサディズムかもしれない。そんな
恐ろしい推測が頭を過ぎった。
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投稿日: 17か月前 投稿者: コンテナフリーク

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随分前に読んだ小説だが、主人公の譲治に対してなんとも情けない男だなという印象を強く持った記憶がある。今ほど奔放でなかった時代に譲治の理想とする西洋の匂いのする女... 続きを読む
投稿日: 20か月前 投稿者: ムーヤン

5つ星のうち 5.0 大好き
この本全体にあふれる「大正」の雰囲気が大好きです。エッチな雰囲気も好きです。この本はとにかく好きなので、コメントはあまりありません。私もナオミになってみたかった... 続きを読む
投稿日: 22か月前 投稿者: ミス☆小柄

5つ星のうち 5.0 当時の時代背景がよくわかる
授業で谷崎潤一郎についてやったときに興味を持ち読み始めました。読書は正直苦手な方なのですが、台詞も多めですし、現代語で読みやすく、漫画のようにあっという間に読め... 続きを読む
投稿日: 23か月前 投稿者: hallie_1207

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谷崎潤一郎の小説は初めて読んだが、物語の中に入り込みやすく、面白い作品だと思った。他の作品もこれから読んでみたいという気持ちになった。ふしだらだが美しい肉体を持... 続きを読む
投稿日: 2006/12/11 投稿者: 葉蔵

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