著者の経営する島田病院は、地元では有名な整形外科病院であり、有名なスポーツ選手も通院していることも知っていたが、その治療方針が本書ではよく分かった。
私自身の経験からしても、一昔前では、骨折や捻挫後、安静を言う医師はいても、「動かせ」という医師は知られておらず、クラブの監督が唯一「痛くても根性で動かせば、痛みを忘れてそのうち動くようになる!」とのたまうだけであった。
それを医学的にスポーツ選手の例をもって、安静の弊害を本書は説明している。
選手のみならず、一般の人も参考にすべき記述が多く、簡単な図説で、家でも無理なくできる、腰・膝痛に対する練習方法も載っている。
私の周囲でも水泳で五十肩を治した人が何人もいるが、やはり人も動物である以上、死ぬまで動かせる部位は動かした方が良いのだろう。
終盤に「患者の尊厳を守り、意思を尊重し、サポートするのが医師の役割」と書かれている。 無論、これに反対する臨床医はいまい。 が、“数時間待ちの後数分の診療”を行わなければ、経営が成り立たないような診療報酬システムを変える提言はなく、整形外科は、そんなに時間に余裕があるあるのか?との疑問を持った。