「痛いほど君が好きなのに」という赤裸々でストレートなタイトル。そのタイトル通りに内容は、男の熱情的な愛情を描いた作品でした。一目惚れから始まる恋の物語で、女性の方から先にアプローチをするような形で、そして同時に男性の方も相手に惹かれながら会話を交わし、恋は始まっていきます。女性の方から、キスをすることをお互いの中に見い出すような言葉を発し、男性も勿論それに応え、一目惚れから本当の愛情に変わっていく。しかし単純な恋愛映画ではなく、以前のボーイフレンドが自分たちのベッドで、目の前でセックスをしていたというトラウマを彼に告白し、彼へ身体を許しながらもどこか本気になれない彼女の、身体を許すことへの決意や、トラウマと戦う心情が痛々しく、とても悲しかったです。
一方彼の方もそんな彼女を理解しようとしながら、必死に愛を告白し、愛情を捧げるのだけれども、彼女の反応が冷ややかなときが増すにつれ、次第にいらいらを募らせていく。彼の方は幼いころ、両親の不仲で辛い思いをしながら生きてきた。二人とも事象は違うけれども愛に対し臆してしまう過去を持ちながら、愛に立ち向かっていく。そんな二人の悩む姿や、ときには衝突し、それでも必死に分かり合おうとしていく悲しくも力強い様子は、心に突き刺さります。
恋愛というのは、ただ「好き」という感情だけでは成り立たないものなのだと深く考えられさせ、そしてその切ない台詞や映像はとても印象に残りました。「愛」という不可解で奥深い言葉を真摯に描き、切ないメロディが流れるこの映画は、非情に思慮深い作品だと思いました。