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古代ギリシャ滅亡の一因でもある疫病に始まり、ペスト、梅毒、結核など、社会のあり方を変えた病気や、逆に社会の変化によって生み出された病気の、近代にまで及ぶ歴史を振り返っていく。本書はいかに病気というものが人類の文明を動かしてきたかをよく教えてくれる。また、史料を多く使い「ミロのヴィーナス」の絵には肺結核の症状が見られる、など読者の驚きを誘うであろう挿話がたくさんちりばめられており、それらも大変興味深い。
そしてこの本の内容が、現代社会の事象にもよくあてはまるということは特筆すべきであろう。移動手段の発達や経済のグローバル化によって瞬く間に広がったSARSの影響や、エイズ患者に対するヒステリックな対応などを見聞するにつれて、あたかもこの本の続きを読んでいるような気分にさせられる。ものごとを見る目を広げてくれる一冊である。
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