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5つ星のうち 4.0
最期まで藪医者を笑い倒したモリエール,
By なかじまわたる "わたる" (神戸市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 病は気から (岩波文庫 赤 512-9) (文庫)
自分は病気だと思い込んでいる薬漬けで浣腸マニアのアルガンは、後妻にそそのかされて、娘を無理やり医者の息子と結婚さ せようとしていた。このコメディの悪役は邪魔な娘を追い出し てアルガンの遺産を一人占めにしようと企む後妻であり、後妻 とぐるになって馬鹿息子を送り込もうとする医者である。アル ガンは一種のペテンにかけられているのだが、後妻は死んだ振 りをしたアルガンに引っかけられて、あっさりと本性を見破ら れてしまう。天才ペテン師タルチュフとは、およそ比較になら ないちょっとした悪女というところか。ここではむしろ、モリ エールの医者嫌いの精神が全編を支配している。宮廷医師にな りたいですか?と訊かれた医者は、病気を治さねばならない宮 廷医師にはなりたくない。決められたセリフだけ言っておけば よい庶民階級相手の医者をやるに限るなどとしゃあしゃあと述 べている。「恋の医者」「心ならずも医者にされ」等、モリエ ールには医者嫌いをテーマにした作品が多い。しかし「病は気 から」を書いた頃、モリエールは既に重い病気に苦しめられて いたようだ。最期まで藪医者を笑い倒していたモリエールだが 、これも気の病であって欲しいなとの思いにはとらわれたので はないだろうか?
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