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異郷日記
 
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異郷日記 [単行本]

西江 雅之
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

「わたしにとって、自分の皮膚の外側はすべて異郷だ」。ニューギニアにはじまり、キューバ、中国、バリ、ソマリア、そして三鷹・・・ その場所で生活する人々の息づかいが、流れゆく悠久の時間をも感じさせ、あたかもその場にいるかのように、われわれを異郷へと誘う。日本を代表する文化人類学者が、情感溢れるエピソードと写真で綴る13編の異郷案内。

内容(「BOOK」データベースより)

ニューギニアにはじまり、キューバ、中国、バリ、ソマリア、そして三鷹…その場所で生活する人々の息づかいが、流れゆく悠久の時間をも感じさせ、あたかもその場にいるかのように、われわれを異郷へと誘う。日本を代表する文化人類学者が、情感溢れるエピソードと写真で綴る13編の異郷案内。

登録情報

  • 単行本: 249ページ
  • 出版社: 青土社 (2008/4/24)
  • ISBN-10: 4791764072
  • ISBN-13: 978-4791764075
  • 発売日: 2008/4/24
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.8 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By ふとあご トップ1000レビュアー
形式:単行本
著者は文化人類学者で言語学者。かつ名文家の誉れ高く、様々なところへ文章を寄せている。
また、理解を越えた頭脳の持ち主であり、操れる言語は相当な数に上る。
その言語は誰もが思いつくメジャーな言語から異なる言語を話す集落どおしで話すときだけ使われる数百人だけが話す
マイナーな言語まで多彩である。
以前、聞いた話では2週間も籠もれば、はじめて学ぶ言語でも一定レベルで操れるようになるとのことであった。

本書は、そんな著者が世界各地を訪れ、書かれた紀行文である。
多くの言語を操れるだけあり、その土地(場合によっては未開の地)でも現地の人々とのコミュニケーションから得た情報
が書かれており、現地でのやり取りも面白い。
中でも、アフリカのザンジバルで、走っている自動車の多くが日本車なのだが、会社名や商店名が日本語で書かれたまま
なのはなぜかと著者が現地の人に問い、実はその意味のわからない複雑な模様(日本語)が盗難の多い当地においては
絶好の目印となるから、という回答が得られるやり取りは、その土地土地での知恵があるものだと思わず感心してしまった。

また、本書はそうした現地での出来事や思索が書かれているだけでなく、その土地から想起される著者のランボーやロルカ、
著者が親交のあった金子光晴らの過去の思い出も描かれており、それらが本書をより深みのあるものにしている。

「街の片隅でも、物語は次々に生まれ、そしてひっそりと消え去っていく」と著者は最後に記しているが、そんな記録に
残らない物語の一つひとつが一人の人間を形作っているのだということを感じさせれられる。
そんな一冊である。
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7 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By yukkiebeer #1殿堂 トップ50レビュアー
形式:単行本
 “異郷”と呼ばれる場所は、航空時代以前と今とではイメージが随分異なるでしょう。
 本書に登場する“異郷”も、初めての海外旅行で赴くという日本人はさほどいないまでも、海外旅行リピーターの中にとっては、かならずしも一生足を運ぶことのない場所とはいえません。事実、ここに登場するアフリカのザンジバルは、私の知人女性がつい先ごろ旅行して帰ってきた場所であるほどですから。

 本書は旅行案内記ではありません。著者の筆は必ずしもその土地の今だけを綴るにとどまらないのです。あるときは40年近くも前の体験談に相当の紙幅を割いていますし、またあるときはその土地にまつわる忘れえぬ読書体験を綴っています。読者は、著者自身の旅の途上での思索の跡をたどることになります。
 それはいみじくも著者自身が、バトゥ・パハ川に詩人・金子光晴が特別のこだわりを見せたことに事寄せて綴っているように(110頁)、著者が異郷での旅の中に「その時までの人生で得た極めて私的で、最も重要な経験と体験のエッセンスを、掴みだそうとし」ている様子を目撃することを意味します。

 そして著者は“異郷”の伝統が、想像以上に歴史の浅いものであったり、もしくは必ずしも一直線に継承されてきたものではなかったりすることをまず指摘しつつ、「失われゆく文化を嘆くよりは、新たな文化の誕生に向かう活力に興味を覚える」と綴ります。
 本来は不純物が混入しないまま受け継がれてこそ伝統であるとするのが通念であろうはずなのに、「異質な事物同士の接触と融合」のダイナミズムに素晴らしさを見るのは、言語人類学者である著者の面目躍如といえるのではないでしょうか。
 そういえば、著者の前著である「「食」の課外授業」でも、同じような変化のダイナミズムを尊ぶ著者の精神が綴られていたと記憶します。

 何かに縛られずに旅に生きてきた著者のしなやかに、心打たれた読書でした。
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