絶版になっている「ワキから見る能世界」に加筆して出版されたものです。
能の初心者にも多少配慮が加わったのと、震災後ということも少し意識されて
書き加えられた感じですが、雰囲気は前作そのままです。
前作のまとまりのなさが疑問でしたが、その謎もこちらで
著者本人が言及されていて、なるほどと思いました。
その「勢い」こそが私は好きですけれど。
私は能のファンというほどではありませんが、見たときに
精神科医として、ワキという存在に雷に打たれたような感銘を受けました。
そのときに感じたいろいろな感覚が、この本を読んで
すうっと腑に落ちました。
そして、能の楽しさにも目覚めました。
能の入門書でもないですし、ある程度能の世界に共鳴している人でないと
なにがなんだか、になってしまう可能性のある本ですが、
私にとっては実に面白い本でした。