いやぁ、とにかくその設定が面白い歴史SF小説だった。傑作かもしれない。今年自分が読んだSF小説の中でも、かなり上位に来ると思う。
異星人が中世ドイツの小さな村に漂着する。バッタのような外見をした異星人の困惑ぶり、そして彼らと出会った村の人々やカトリックの神父の反応が、とてもきめ細やかに描かれていて、SF小説というより歴史ものを読んでるようだった。
カトリックが人々の生活を文字通り支配していた中で、異種の人々と接触した人々が、反発しながらも、遠く故郷を離れた異星人に共感もしていく。そして異星人たちも望郷の気持ちを持ちながら、人間とともに生きていく。中世のヨーロッパの歴史については疎いのでここで書かれている背景をすべて理解できているのではないが、あとがきにも書かれているように、決してヨーロッパ中世が「暗黒の時代」だけではなかったことが伝わってくる。
ネタばれになるので、物語の後半について書くのはやめておくけど、涙なしでは読めなかった。
ところどころ、現代の話が出てくるが、上巻を読んでいると物語の展開を邪魔していて、余計な気がした。しかし、最後の最後にこの現代のエピソードを加えた意味がわかってきた。
面白かった。