本書には、同性愛者のカップルである著者が行った講演の記録と、美輪明宏などの著名人をはじめ、障害者、文化人類学者、結婚相談所所長などさまざまな立場にある人との対談が収められており、多角的に「性」が語られている。
世の中はすべて女性と男性の2つの性に分けられるわけではなく、生物学的な性、社会的な性、恋愛の対象としての性と、一言で「性」といっても多様な側面があること。男性、女性以外の第3の性が存在する社会があること。日本はもともと女性的な(男性優位社会ではない)文化だったこと…。
性別とは個人の話であり、かつ、社会の話なのだ。性別を考えることは、自分とは何かを考えるきっかけになる。そして社会を考えることにもつながる。
あとがきに、「『ふつう』『常識』『あたり前』に縛られていると、他人の生き方を自分で評価して『裁定』し、無意識に他人を傷つけてしまうこともあるかもしれません」とある。誰もが一個の人間として認められたいと願っているこの社会で、自分が認めてもらうには他者を認めなければならない。そして、そのためには、私たち一人ひとりが、社会が、意識して変わっていかなければ何も変わらないのではないだろうか。(つちだみき)
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