本書は、TPP参加が日本の農業に打撃を与えるばかりではないことを知る為の本である。
アメリカが一国支配の完成形として仕掛けているのがTPPであることを、
アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、南米の学者たちが縷縷説いたのが本書である。
TPPは、関税障壁をゼロにするという大義名分のもとに、動植物検疫、食品安全、政府調達、
知的所有権、サービス、金融、投資、労働、社会保障などの分野でも、参加国の
アメリカンルール化を押し付ける協定である。
これによって、安全保障、農業ビジネス、農村生活、温室効果ガス排出、地球温暖化対策など
経済連携にたいする側面で、TPP参加国の国民が受ける影響は計り知れない。
例えば日本は国民皆保険であるが、アメリカはそうではない。
貿易自由化はテロや犯罪の増加をもたらす可能性も含んでいる。
現在進行中のTPP交渉では、アメリカやアメリカ企業が利己的利益を追求し、上記した分野で自らに
都合の良い基準・制度を押し付け、各国に必要な規制まで撤廃しようとしている。
著者たちは皆、各国が国内政策を決定する権限を弱めるべきではなく、適切な権限を維持することが
必要だと提言している。
私はこれらの考えに全面的に賛同する。