池澤夏樹が綴ったエッセーを元に現在も続いている本書と同名のメールコラム
「異国の客」からのエッセー集です。私のようにメールコラムを読んでいた方には
新鮮味がやや薄れてしまうと思いますが、それでもフランスへ移り住んだ著者が
時にフランスの社会を通して日本を再認識し、あるいは知的好奇心から多くの
活動を行う中に遠く日本を振り返る様子が深い洞察に裏打ちされていて
興味深いです。そうは言っても、やはりある一定の期間で発行される
メールコラムの内容も改めて読み直すとやや物証に乏しい中での断定的な
判断も散見されるのですが、それも新鮮なエッセーとしての面白みといえる
かもしれません。
これまでの池澤夏樹の書を読んでいる方には、思索の源泉を垣間見ることが
できる書としてお勧めしたいです。(併せてメールコラムも。)