「異人」とは「民俗社会の外部に住み、さまざまな機会を通じて定住民を接触する人々」として定義されている。
それは山伏であったり、巫女であったり、遍路であったり、旅の者であったり。
そしてこの「異人」は、いつの時代でも、歓待されもしたし、排除されもした。
中には殺され、大金を奪われる異人もいた。これがこの本のメインテーマの一つである「異人殺し」である。
またあとがきで筆者は異人と妖怪の関係について述べている。
「異人」は民俗社会にとっては社会関係上の「他者」であり、また「妖怪」は、人々の想像力によって産み出された「他者」である。一方は社会的存在であり、他方は想像的存在であるが、「異人」が人々の想像力を刺激し、それに「幻想化」という処理が施されると「妖怪」が生じる。例えば、「山伏」に幻想化が施された結果として「天狗」が生じている。
他にも「恐怖の存在としての女性像」など、興味深い話が複数収録されている良書。