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最も参考になったカスタマーレビュー
10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
見つけたら即買を!隠れた巨人、岡正雄の貴重な論文集。,
By 白頭 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 異人その他―他十二篇 (岩波文庫) (文庫)
岡正雄は柳田國男と共に雑誌『民族』の発刊にあたり、日本の民族学に独自の威光を放つ人物。発表した論考が少ないせいもあり知名度は低い。 本書は彼の業績を垣間見る数少ない論文集で、しかも文庫であり、大変貴重で あったのだが、残念にも絶版となってしまった。江上波夫の有名な「騎馬民族 征服説」は、一九四八年に岡や石田英一郎等と行った座談会上で開陳され、衝撃 を与えた。本書中に含まれる「二十五年の後で」の中で、江上が戦時中の抑留か ら帰還し田舎に隠遁していた岡と久しぶりにあう件がある。そこで江上は、「君と だいたい同じ結論になったよ」と述べているので、岡自信も江上とは別に騎馬民 族征服という構想を独自に育み語り合っていたのかもしれない。天皇家の半島由 来を主張する本書中の論文が、何故当初、海外にてドイツ語で発表されなければ ならなかったのか、岡自信が感慨深く回想している。日本民族の成立過程を重層 的な「異種族混交」と捉える見方は今や常識ですらあるが、早期にこれを展開し ていたのも岡である。柳田国男の一国民俗学・常民的視点と異なる、混交的・マ レビト的視点をほぼ同時期に展開しており、もっと評価されていい気がする。
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