競馬が好きな人なら読んで損はしません。必ず爆笑します。
騎手界の番長、藤田伸二さんが暴露するジョッキーたちの逸話集です。
特に印象的だったのは、トップジョッキー安藤勝巳(アンカツ)さんの泥酔話です。
レース前日まで飲みまくって前後不覚になる豪胆さは、テレビで見せる柔和な表情からは想像できません。
地方競馬から中央に殴り込んで、いまもリーディング上位に名を連ねるアンカツさんのスケールの大きさがわかります。
あとこの本が面白いのは、周りの騎手から見た「藤田伸二」が書かれていること。
僕が5年ほど前に福島競馬場で車の後部座席に踏ん反り返っている藤田さんを見た時は(しかも周りの競馬ファンにものすっごいメンチ切ってた笑)、思わず「藤田こわっ!」と声が出てしまいましたが、この本をはじめ、著書を読むと、正直で後輩思いで何よりもフェアな人であることが伝わってきます。実際に仕事ではフェアプレー賞を受賞していますし。あと騎手界の大物である岡部幸雄(引退)について率直に「苦手だった」と書けるのは番長しかいないでしょう!
そして決して名文家ではない藤田さんの文章が読み手を惹きつけるのは、彼の競馬愛ゆえだと思います。
余談ですが、先の2011年11月3日、JBCクラシックでトランセンドに騎乗し宿敵スマートファルコンに敗れた際、「あの馬とは1勝1敗」と、気丈に悔しさ丸出しで、でも丁寧にコメントしていた藤田さんは、ジョッキーとしての矜恃が感じられてすごくカッコよかった。男・藤田ならきっとリベンジすると思わせる強さがにじみ出ていました。