耽美、シリアス路線の短編集だわー、と思って読んでいたら、
最後の作品が強烈ギャグで全てのインパクトをかっさらっていきました。
きっとこの本は、本当の題名で呼ばれるよりも「伝説のブサイク攻が載ってる本」として全国津々浦々流通していくであろう・・・と遠い目になりましたよ。
画力があるからこそ、ブサイクをここまで克明に描けるのだなあと妙に感動しました。
反対に、表題作「番人」は耽美。ハッピーエンドの「Show me heaven」で気分が浮上しますが、「空の裏側」が近年まれに見る暗い話でまた落ち込みます。
そして「めぐり逢い・・・COSMO」にいたり、宇宙へ飛ばされる(笑)
国枝作品は、自分がなんとなく信じている「正しさ」「まっとうさ」を揺さぶるところがあるんですね。
主人公たちは、歪みを直すのでも罪におびえるのでもない。
理不尽を淡々と引き受けて生きていく、あるいは死んでいく人々。
でも決して投げやりではないんです。
ぎりぎりのところで「別にいいじゃん」と肯定する強さがあるということでしょうか。
全話の共通点をあえて探すなら(探さなくてもいいけど)、このしなやかな精神かもしれない・・・と、無理矢理自分を納得させてみました。