想定読者は、次のような方です。
1.息子・娘さんが、突然、留学したいと言い出したそのご両親。
2.大学生活や社会人生活をリセットしたくなり、『留学もいいかも』と考えた方。
3.海外の大学への留学を斡旋するダイレクトメールを見て、心を動かされた方。
留学が大衆化されてきたことを背景に、エセ留学コンサルタントが、『かんたん米国大学留学』的商品を、多数売り出しておりますが、飛びつくことの危険さを、実例入りで平易に語っています。 米国大学のシステムや実情を知らぬままに、出来合いの商品を買うがごとくお子さんを留学させてしまうと、大切なお子さんに、成功体験ではなく、失敗体験をさせてしまいかねませんよ、という警告です。
本著を読めば、以下のような点を大つかみで理解できます。
1.大学卒という学位取得を目的とする留学は、英語力と学力(点数)が低くては、入学そのものが簡単ではない。
2.入学できても、卒業する(学位取得)には、多少のことではへこたれない、強い意志と努力が必要である。つまり、卒業は簡単ではない。
3.米国に文部科学省相当の政府管理がないため、日本の夜間高校や職業訓練の専門学校と同等の学校も、大学と名乗っている。結果として、大学と名が付く学校は4000校以上もある。
4.つまり、”入学できます”という商品は、どれほどいい加減さが隠されているかということ。
タイトルはショッキングですが、しかし著者は自身も米国の大学院を卒業し、また正統派の留学コンサルタントであり、学位取得を目指す『正規の留学』を志す若者への応援のメッセージも含まれています。短時間で、留学産業の実態や、米国の大学システムを大づかみで理解するには、なかなかの好著だと思います。
尚、欠点をあげるとすれば、最後の数十ページは、情報よりも、筆者自身の教育論に費やされてしまっていることでしょうか。