頭頚部(脳は含みません)のCTやMRIの断面に合わせて、かなり細かい解剖学的な構造および破格まで触れてあります。その上、画像診断を行う際の視点から、その局所解剖の重要性について解説されています。中上級者向けの頭頚部の画像解剖書として、他にも良書はありますが、鉄板の一つに数えてよいと思います。
頭頚部の画像診断においては、局所の複雑な解剖を把握することが、正確な診断に欠かせませんが、これが診断以上に難しく感じられるのが頭頚部領域の特徴です。解剖書を見ても、随所に散らばる間隙の名前は満足に載っていませんし、解剖書上の小さな構造物がCTやMRIのスライス上、どこにどの向きで対応するのかを把握するのは、なかなか骨の折れる作業でした。本書があれば、実際のCTやMRIと本書を見比べながら、解剖を確認出来るので、そうした苦労がなくなります。また、近年、CTやMRIの断層に合わせた解剖書も発売されてはきましたが、本書のように細かい構造や破格まで触れた物ではありませんでした。