本書は三人の女性作家による対談本。額面通り話題はセックスであり、その外へ一歩も踏み外さず
それに終始する。注意すべきはタイトルにおいて「男」は目的語となっているが、本書では性の現場
での女たちの主体性の奪還を呼びかけている、というよりもむしろ男に向けて、女性に対して受け身
になって「感じさせられるセックス」のすばらしさを語っているように思える。
三人が対談でも語られる通り、元来「男のセックス」は最終的には「挿入」および「排泄」がなければ
終わらない。それらを欠くセックスはすなわち、文末に句点がない文章と同じ
…つまり、「なんかすっきりしない」のだ。
しかし三人は口々に言う。セックスは挿入や排泄が全てではない。ベットの上で体を密着させてパー
トナーとお互いの感覚を研ぎ澄ませ合いながら、体のあちこちで感じ、楽しむものなのだ。男たちがわ
かっていてもそうできないのは、ペニスが彼らにとってそプライドを誇示するシンボルでありながら同時
に、それがなくてはその「レゾンデートル」すら失いかねない、まさにアイデンティティの「つっかえ棒」の
役割を果たしているからかも知れない。
男たちに「感じさせられるセックス」を推奨する三人、特に南と齋藤は、やたらと「アナル挿入」を推奨し
ている。それはもうガンガンに、推している。ここらへんはしかし、ノーマルな性癖の読者にとっては実
践するには厳しいものがあるやもしれない。特にこの対談を読んでいると、お互いがお互いを触発し合
い、どんどん発言がエスカレートしていっているふしもあるため、話半分とまでは言わないが、話七分
程度に受け取っていた方がいいのかもしれない。
それにしても余談ではあるが、本文中に登場する「ブラックホール男」がスゴイ。いやスゴすぎる。どん
な人物かは見てのお楽しみではあるが、感想を一言。
人間って、そんなに広がるもんなんすね。