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まず、現在は、あるいは当時も現在も一蹴される生物学上の知識の誤りが大量にありながら、生物学に要注意!などと述べるのは、問題があると思う。
さらに、証拠を公平に扱う気持ちというもの、論争を概観してまとめるものが最も気をつけなくてはならないこと、がこの本からはみじんも感じられない。さらに何かと理由をひねりだして、「こういう研究結果は載せないことにする」などというのが多い。公平な著者ならそれでもなんとなくなるかもしれないが、この人ははじめから自分の信念にもとづく結論にもとづいて話をすすめているので、「こういう研究結果」というのが、要するに、著者の信念にとって不都合なものなのである。
おまけにこの人の論理には基本的な欠陥が多すぎる。例えば、動物の実験結果を人間に応用するには問題がある。といって、マウスの研究結果を批判した直後に、1つの霊長類の研究を社会性動物全てに適用しようとしたり、それはあんまりなんじゃないかと思うような論理的欠陥がそこらじゅうにあふれている。
そして、最後にこの人には、自分の意見を批判的な目で見るという視点がまるでないのだと思う。反対の意見には、あれやこれやととても厳しい突っ込みをいれて(これは結構であるが)、その一方で、自分の意見には、ひとつの研究を盲目的に多くにあてはめたり、中には一切根拠もあげず、環境決定論を唱えたり、そのあまりの落差には唖然とするばかりだった。以上をあわせた問題点の数は、平均して1pに一個は楽にこえていた。
例えば、p37では、もともとは男なのに、幼児期に外科手術によって女性とな
り、女の子として育てられた子どもの話が出てくる。著者は、その子が周
囲の努力で女の子的な行動を示すようになったとして、「いかに柔軟に人は
男にも女にも転換できるかがわかる」と結論する。しかし、このようなケー
スは今では「性同一性障害」を引き起こすことが知られている。生物学的な
性は社会的に変更しようとしても不可能だというのが、現在の結論なのだ。
この本の原著は改訂版が1993年、初版が1984年であり、近年の生物学的成果
を知る上では適切ではない。科学啓蒙書としてこの「古さ」は致命的だ。
男女の体の違い、脳の違い、役割の違い…
思いつく違いを上げて、考察し、結局大差が無いと結論している。
そりゃ生殖器の違いとか、男女での決定的な違いはありますけど、そう言う違いを言ってるんじゃないんです、この本は。
この本を読んで、男性は今後の女性の動きに対して危機感を覚えるかも知れません。
逆に、女性はコレから先の社会に希望を持つかも知れません。
ただ、取り上げている内容が多過ぎる様な感じがする本でした。
結論は最初から分かってるんで、もう少し少ないテーマで詳しく述べ!て欲しかった気がします。
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