「男はつらいよ」DVDをアマゾンが大幅値下げしたのでDVDマガジンシリーズのコスト・パフォーマンスが下がってしまったがこれはこれでよい、 DVD収録映像はリマスター前のものになるがこれも特に不満を感じるほどのものではありません、
付属のマガジン全18ページは映画紹介・ロケ地を歩こう・小説寅さんの少年時代といつもの定番、鉄道と乗り物欄は上野駅、名わき役ファイルでは谷村昌彦・赤塚真人・じん弘・中本賢が登場、DVD特典映像の「旅のあと」は和歌山紀行のみ5分ほどで京都・東京紀行はない、
寅が柿をかじるのは和歌山の根来寺大門、 かつて市川雷蔵主演「続 忍びの者」のクライマックスで根来衆が馬で走り出すシーンのロケにも使われました、
本作の特徴はまずさくらのよろめきがシリーズ唯一語られることでしょう、
さくらのような気立て良しの美人に男関係でなんの波乱も起きないというのはさすがにおかしいということはおそらく初期から考えられてきたことだろうとおもう、 それもとら屋は客商売、 さくら目当てに日参する不届き者が現れてもなんの不思議もないわけだ、 ましてあんな地味な亭主ならおれが言い寄ればと不埒なやからが輩出してもおかしくない、 この点については女優倍賞智恵子とすれば本シリーズ以上の代表作である民子三部作ではそれぞれの作品内で人妻だが困った男に言い寄られる役に設定されていて少しの不自然さも感じさせない、
そこで本作のハーブ・エデルマンの登場となる、
大男の明朗快活なアメリカ人にその役を振ることでよろめきという言葉についてまわる陰気陰惨な情緒はいっさいなく、かえって振られてすぐ帰国することで青春恋愛映画のような爽快ささえ感じさせる佳作に仕上がっていると思う、 ハーブ演じるマイケルの"I love you."という率直な告白の前段として京都の芝居小屋で見た「蝶々夫人」の妄想シーンがとにかく面白い、
日米の恋愛作法の違いをアリアで語った後に、マイケルは率直に告白し直球で拒否され、寅は婉曲に失恋を受け止めるという対比の面白さ、ところが二人ともに失恋後にはさっさと女の前から姿を消すという同じ行動をする面白さ、 脚本・演出の上手さはシリーズ中盤にしてもう名人芸でしょう、
最後の「博にはだまってろよ」という寅の言葉に受話器を持ちべそをかきながら肯くさくらの傍でがさつに「お茶っ!」と言葉をかける博のシーンは名場面でしょう、 材料が材料だけに本作内で倍賞が見せるさまざまな表情は彼女の上手さを最高に引き出しています、
個人的にべそをかく倍賞智恵子が大好きである、
序盤で寅が語る日米関係は簡潔明瞭に歴史を語っていて興味深い、 事実その通りなのだから、 それでも現実の政治や外交関係においては取捨選択と優先順位から日本が最も仲良くしなければならないのはアメリカなのだと本作は語りたいのだ!とは強引な解釈かな?
タコ社長を見ているとどうも最近よく見かける誰かに似ていると感じる、誰に似ているかといえばさまぁーず三村に印象が近いのだ、 そこで考えたのだがそろそろ渥美清没後20年である、 松竹はもうそろそろ「男はつらいよ」のリメイクを解禁したらどうなのだろう、 古典はリメイクされるものなのだから、 勧進帳は誰が演じても勧進帳のレベルに「男はつらいよ」も持っていくべきだろうと思うのだが、 そこで配役を妄想してみた、
さくら:仲間由起恵
博 :吉岡秀隆
満男 :加藤清志郎
おいちゃん:前田吟
おばちゃん:夏川結衣・・・できるだけおばさんメイクをお願いする
タコ社長:さまぁーず三村
御前様:誰か俳優が本業でない老人の著名人なんかどうだろう、吉衛門というのもいいかも、
寅役は誰が演じても渥美清に及ぶわけがないのだからいっそのこと性格破綻の二枚目という設定で失恋にもっていけばいい、 阿部寛なんか喜んで演じてくれそうに思うが、するとげんちゃん役も阿部とのでこぼこコンビを探すことになる(六角某とか)、
そんなリメイクがもし実現したなら本作の日米対決物語はいい材料になるのではないだろうか、