古来日本では、庭弄りと言えば男の趣味と決まつてゐました。盆栽という、世界屈指の(本当に凄いと思います)植物鑑賞技術は、おっさんの道楽だったのです。
現在では植物鑑賞は「ガーデニング」に姿を替え、特にイングリッシュガーデンの流れを汲む価値観の中では緑を「自然に」「豊かに」「育む」ことが重視されてゐる様に思ひます。ガーデニングの本質は緑を「育てる」事ではなく「観る」事に在る、と著者は言ひます。「本当に楽しんでますか?」この一言だけでも本書は価値が有ると言へます。幸せで豊かな家庭の「良き趣味」から、道楽という本来の姿へ。「なかなか上手く育てられなくて」とお嘆きの御婦人方にお勧めしたい。
男子諸兄にも勿論お勧めする。幸いにも日本に於いては、何処に行っても緑は必ずある。それを愛でる気持ちを以って接すれば、其れは既にガーデニングと云へるので在ります。ま、その心境に至つては名前なぞ何でも良いのではありますが。