本書の著者のあとがきと漫画自体とを比べると、セクシュアリティーをめぐる問題を抱える当事者の置かれた状況に少し理解が進むように感じました。
もともとレズビアンの著者は、前の著書で登場人物のカイ君(FtMで身体・戸籍が女性で性認識が男性)に告白されて付き合うことになります。そのカイ君が今回タイに性別適合手術(SRS)を受けにいったことが漫画になっています。タイで受け取った診断書を手に裁判所に行き戸籍上の性を変えるのは、この本によればわずか5分の手続きで完了するようです。性別適合手術では埼玉医大の形成外科が有名ですが、実際にタイを含む諸外国で日本人が行う手術数はかなりのものに上っているのかもしれません。
この漫画本を読む人は、最後のあとがきまできちんと読むべきだと思います。あとがきには、著者が実際には手術にもホルモン注射にも反対していたこと、術後の精神的ストレスが強すぎてバランスを崩してしまう者も多いことが、カイ君への想いとともに触れられています。