男女の恋愛を描いた映画は数知れないが、本作ほどクルマを上手に使った映画は
ないのではないだろうか。男性の主人公がレーサーということもあり、作品の
随所でクルマが効果的に使われ、オトナの恋を彩ってくれる。
海岸でマスタング・コンバーチブルを滑らせ、子供と遊ぶシーン。
初めて二人が出会った日の車内の会話。
シフトチェンジで、そっと彼女の手に触れるシーン。
フォードGT40をテストランするシーン。
白熱するモンテカルロラリー(MINIやシトロエンDSのラリーカーが雪の道をドリフト
する様はそれだけで貴重な映像!)
そしてなんといっても圧巻は、女の一通の電報をきっかけに、男がモンテカルロから
ドーヴィルへ、一気に走り抜けるシークエンスだろう。ここに自動車を運転する
ワクワク感が凝縮されている、と言っても過言ではない。そしてそのままシーンは
海岸で遊ぶ女と子供へ、男が自分の到着をヘッドライトの点滅で知らせる、という
作品中屈指の名シーンへとつながっていく。
映画好きのみならず、クルマ好きの人にもぜひ観てほしい、最高のクルマ映像達で
ある。観た後では、自分の車を運転する行為までが何かしらの輝きをもって感じられる
こと間違いなし。
余談であるが、DVDの特典映像”37年後 クロード・ルルーシュと共に”が面白い。
本作をロマンチックに印象づける望遠レンズの多用、モノクロとカラー映像の併用などは
すべて予算的な制約から生まれたものだったとは!
これを見ると、優れた映画=大予算、でないことが改めて実感できる。