『男だけの育児』の中で、ジェシさんは、養子のエーレズを連れたアンディさんに出会ったときから、「親」になることを考えて考えて考え抜き続けます。そのドラマは、感動的でちょっぴりユーモラスで、そして、「親子」や「家族」を今までにない視点で考えさせてくれます。「自分は何者か?」と問わざるを得ないゲイだからこそ、「親」になることの意味も考えられるのです。したがって、ある面では、この本は、異性愛で「親」になりたい人にとって絶好の参考書にもなりえます。そして、同性愛者にとっても、この本は、それ以外にも、汲めど尽きない興味深い視点や情報を提供してくれます。ジェシさんもアンディさんも、ゲイであることを自覚してから、オープンリー(=カミングアウトして新しい関係を創っている)なゲイになるまでの葛藤や経過は、私たちのロールモデルとして、参考になるところだらけです。とりわけ、親と改めてどう関係を結んでいくかという点は、笑いと涙いっぱいに私たちのハートを突き刺しながら、読むほどにたくさんのことを吸収できます。もちろん、アメリカの同性愛者がおかれている状況も、ジェシさんの軽妙かつ辛辣な筆によって、くっきりと見えてきます。どうしても日本と比較してしまいますが、それもまた心地よい作業になってしまう本です。 というわけで、ぜひ、この本を読んでみて下さい。
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