他の方のレビューで「古く泥臭い」旨記述がありましたが、それを受けて
誤解される方のため、あるいは視聴を迷っておられる方のために記載させて
いただきます。
映画に限らず小説でも漫画でも、創作物には人の心を打つ何かがあり、だからこそ
様々に変遷を繰り返しながら現在まで様々な作品が作られているのだと思います。
「男たちの挽歌」と言う映画には、そういう普遍的に人の心を強く打つ何かが
ふんだんに織り込まれています。
例えば友情であったり、裏切りであったり、家族愛であったり、人によって
どの部分に一番心を奪われるかは異なるとは思いますが、そういう普遍的に
人の心に訴えかけるテーマが熱く濃く盛り込まれています。
もっともそういう感情自体を「古い」と切り捨てられては元も子もありませんが、
そのような非情な(笑)人は数少ないでしょう。
表現・描写に関して、20年以上前の作品ですし「古い」のでは?と思われる
方もいらっしゃるかもしれませんが、スローモーションを多用した鮮烈な暴力表現は
今観ても息を呑むような迫力と美しさで、この作品以降世界中にこのエピゴーネンが
登場しましたが、J・ウー自身の監督作も含め、なかなかこれだけの鮮烈さを感じる
ものは少ないでしょう(もっとも「ではペキンパーはどうなるんだ?」と聞かれると返事に窮しますが)。
J・ウー自身の映画的教養や当時の想いもたっぷりこめられた、熱い傑作です。
昨今の「表面的な感動と涙」に満ちた映画に飽き飽きした方にこそ、ぜひお薦めしたい作品です。