忍法帖という1ジャンルを立ち上げるに至る記念すべき第1作である甲賀忍法帖。
今なお新たに復刊されるという化け物的な作品であり、その面白さも圧倒的だ。
忍法帖で一番最初に語られるのは荒唐無稽な忍法の数々である。
その発想の奔放さや豊かさは素晴らしく、少年ジャンプの能力者物の原形をこの忍法帖に求める人もいるくらいだ。
しかし原形だからと言って忍法帖に出てくる忍法が古いわけではない。
なぜならそれは発想のすごさ誇ることさえせず、展開の面白さを追求するべく効果的に使われているからだ。
つまり先の読めない展開が物語を引っ張るのである。
無類の強さを誇るかに見えた忍者も長所が一変、欠点へと変わり破れ去っていく。
甲賀忍者10人VS伊賀忍者10人の戦いの行く末、誰が誰を、そしてどのように倒すのかを知る方法はただ一つ、ページをめくるしかない。
さらに展開の面白さに振り回されているとメインプロットの魅力を惹き出したラストが立ち表れ、余韻を残して物語の幕が閉じる。
つまり、忍法帖は古びないのである。
そして、ただただ面白いのだ。