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甲子園が割れた日―松井秀喜5連続敬遠の真実 (新潮文庫)
 
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甲子園が割れた日―松井秀喜5連続敬遠の真実 (新潮文庫) [文庫]

中村 計
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「甲子園なんてこなければよかった」―。球史に刻まれた一戦、1992年夏、星稜vs明徳義塾。松井との勝負を避けた明徳は非難を受け、試合をきっかけに両校ナインには大きな葛藤が生まれた。あれから15年、自らの人生を歩みだした監督・元球児たちが語る、封印された記憶。高校野球の聖地で、彼らは何を思い、何が行われたのか。球児たちの軌跡を丹念に追ったノンフィクション。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

中村 計
1973(昭和48)年、千葉県船橋市生れ。同志社大学法学部卒。スポーツ新聞記者を経てフリーライターに。スポーツをはじめとするノンフィクションをメーンに活躍する。『甲子園が割れた日』でミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。『雪合戦マガジン』の編集長も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 305ページ
  • 出版社: 新潮社 (2010/7/28)
  • ISBN-10: 410133241X
  • ISBN-13: 978-4101332413
  • 発売日: 2010/7/28
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
まず石川県の人間だから、冷静には読めない、書けないということを先に書いて逃げを作っておく。
もともと明徳の投手に感情移入して取材した、ということもあり、明らかに明徳寄りだな、と思わせる内容が多い。だから面白いが、不愉快だと思いながら読んだ。
星稜側にはどこか冷ややかな姿勢が目立つ。建前ばかり言う朝日新聞、高野連、そして山下監督という印象を持たせる書き方だ。

もちろん、当時自分も「ああこれで松井の契約金が上がったな」と感じたし、周囲もそう言っていた。

その一方で未だに明徳の試合をやってると「このダラ(=バカ)、まだ監督やっとるんか!」「明徳が出ると絶対負けろー言うわ」と言い合う。
2003年の参議院選挙の候補の一人は「あの時甲子園にいて、メガホンを投げ入れたこと」を得意気に自己紹介面に書いていた(その候補は当選)。

あの試合で松井も山下監督も神格化されたように思う。山下監督は一時期ローカルのCMに出たことがあるほどの知名度であったし、
一時期地元紙の一面記事はイラク戦争でも郵政民営化でもなく、毎日カラー記事での「松井のアメリカでの活躍」だった。
松井伝説の中を生きる県民として、未だに冷静になることはない。
我々も山下監督同様に松井に惚れ込んでいた、魅入られていたのだ。
筆者は無知なのかあるいは眼中になかったのか全く無視しているがそのきっかけは1991年夏の星稜のベスト4入りからだった。
そのときに我々は松井秀喜を知り、「すごいのがいる」と魅せられたのだ。それからは夢のようだった。そしてその夢が打ち砕かれた試合だった。
「作戦として是」という冷静さは当然あっても、生理的に許すことはない。

どういうわけか3年後の準優勝のときは「あのとき」ほどには盛り上がらなかったのだ。

石川の土地柄を「おっとりしている」と表現していたが、その一方で「根に持つと一生」「太陽燦燦の四国、太平洋側への深い怨嗟、コンプレックス」、日本海側への長年の差別とそれに対する鬱憤。山下氏が筆者に年齢を聞いたのもその辺の感覚が分かるかどうか?を試したのだろう。おしなべて登場する四国の野球関係者は北陸の野球をハナから見下していたし、石川県関係者の劣等感も長年こびりついた物を感じた。それらに筆者は表面的にのみしか気づいていない。ゆえに煙に巻かれてもその理由にまでたどり着かずあさっての方向の憶測しか書けないのだ。
また石川県や北信越地域の野球事情も誤りと過小評価が多いと感じた。この地域の特徴ある高校というと星稜、金沢高校以外に公立ながら出場回数が多い福井商業、富山県の1986年センバツの「ミラクル新湊」の富山県立新湊高校と新湊市民の気風あたりも大いに北陸野球文化の一端を象徴する物と思うし、山下監督の気質と「ミラクル〜」の頃の監督、そしてあの新湊名物大応援団の人々の雰囲気と1992年の石川県の雰囲気は似たものがあった。そしてこの地域の特徴として富山、長野を筆頭に自他共に認める「教育県」が居並ぶ。本書内では全く無視されているが、1992年の地元紙では松井秀喜は中学時代、公立の進学校(一応甲子園出場実績有)に進学希望だったという話が載っていた。星稜も進学指導に熱心な学校である。いわゆる「文武両道」ではない学校、「県外人部隊」、野球だけやってる学校(学力偏差値の低い私立)の台頭には非常に厳しい土地柄である。
あとがき欄で「石川県の野球風土」を浮かび上がらせていると褒められているが、地元の人間にすれば噴飯ものだ。松井を指導した自慢で地元メディアに良く出てくる高桑氏が石川県の人間からすると「百回以上聞かされたような話」をしに「また出てきた」という印象ぐらいか。松井秀喜の人間形成に大きな影響を与えた父親についてはあまり出てこない。相当ガードが固かったのか。

しかし感情移入した相手の明徳側には深く迫っていると感じた。フリーライターという職業に「それはもうかるのか」と詮索する元選手たちの気質。変な学校という印象はあの時点で一般人の自分にも強烈にこびりついたが、星稜側の選手たちも「異様さ」を感じていた。「彼らは高校時代何か楽しいことがあったのだろうか?」という疑問は象徴的だ。星稜も石川県の中では比較的「特殊な学校」だが、明徳に比べれば遥に普通の学校であろう。

ついでに書くと星稜の山口哲治の近況を知ることができたのは収穫だった。彼もプロに行くと皆(石川県では)思っていたから、今どうしているのかずっと知りたかった。
金沢市立工業の岸投手の名も懐かしかった。
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By mfhty トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
 私にとって、「松井5連続敬遠」は、その当時はそれなりのインパクトがあったものの、最近はほとんど忘れていた。
 その「事件」に対して、著者は、監督・ピッチャー・打者(松井)だけでなく、チームメイト一人ひとりにまで丹念に取材し、その実像に迫ろうとする。

 正直言って、最初、私は本書を読みながら「このテーマにここまで取材し、本を書く意味があるのか」とさえ思っていた。
 しかし、読み進めるうちに、
(a) 高校野球は、高野連や一部ファンが思うような純真・純朴なだけの世界ではなく、あるべきでもない。勝利至上主義は、どのスポーツでも当たり前のことであり、部外者が否定すべきではない。
(b) 明徳の選手は、ピッチャーも含め、「勝負したかった」というような感傷はもっていない。そのことは何も不自然ではない。
(c) ともすればチーム全体や、スター選手にしかスポットが当たらない高校野球であるが、(当然のことながら)一人ひとりの様々な思惑や感情や、その後の人生がある。
ということに気がつく。

 それぞれの登場人物がくっきりと描かれ、なかなか印象深い本。特に、明徳のピッチャー河野のその後の人生や、打てなかった星陵の5番バッター月岩については、強く印象に残った。
 丹念に取材した労作であり、読むに値する本と思います。
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形式:単行本
敬遠は、野球における一つの作戦である。打たれる確率の高い打者を避ける代わりに、無条件で塁を与えるというリスクを犯して次打者との勝負に賭ける。ルール違反でもなく卑怯な行為でもない。ただ1992年8月16日、甲子園で星稜高・松井秀喜が5打席連続で敬遠された時、一般の野球ファンは勿論のこと、マスコミ、評論家、更には時の高野連の会長までが、明徳高が採ったこの“戦術”を非難した。ご多分に洩れず元野球少年だった私も、「ピッチャーは勝負したかっただろうな」と、勝利最優先主義の権化と映った馬淵監督に怒りを覚えた。
本書の取材も、そんなありふれた明徳ナインへの同情から始まっている。そして最後まで読み切った読者は、あの“事件”に関わった人々の心理と意志が、実は全く別次元の高みにあったことを知り、高校野球において勝利とは何なのか?そして野球というスポーツにおいて“勝者”とは誰なのか?というテーマの奥深さを突きつけられることになる。
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明徳義塾vs星稜、松井に20球ボールを投げた河野。
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敬遠の裏側
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