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22 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
なんとなくSF、の超私小説,
レビュー対象商品: 田紳有楽・空気頭 (講談社文芸文庫) (文庫)
SFを知らずしてSFを書いてしまったのではないかというくらい飛んだ作品がふたつ。ありえない現象をしずかに書きとめてゆく自然主義の手法だけが流用され、私小説から軽やかに跳躍しています。いろんな過去を背負った生物-死物、偽物-ばった物たちが飲んで歌ってすべてをうやむやにしてしまう、どこかインド映画チックな『田紳遊楽』と、鬱屈した空気のなか、みずから倒錯へと身を投じることで、生とも死ともつかないあいまいな世界から厳しく自身を引き離そうとする『空気頭』は方向性こそ逆でありますが、指向する境地は似ている気すらいたします。藤枝静夫氏の作品には墓や病気、死といった不気味なものがよく登場するのですが、いずれも滑稽さと悲しさの薄皮に包まれて供されます。藤枝氏は不安さに耐えられなくなった時、期せずして発露される、真面目さがおかしさと区別が付かなくなるあの笑い泣きの境界に長く身をおいていたのかもしれません。 あまり名前を知られることもなく渋い位置にとどまっている作家ですが、読んでみると「こんな作家が昔、日本にも居たのか!」という驚きがあることでしょう.....。というわけで、復刊を期待する次第です。
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
飛んでます,
By cobo "コボ" (東京都杉並区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 田紳有楽・空気頭 (講談社文芸文庫) (文庫)
私は「空気頭」という短編により深く感嘆しました。「田紳有楽」も面白いのですが、あまりに突飛すぎて私には少し規格外でしたが、「空気頭」の方は凄いです。
冒頭に私小説であることが示唆され、なお私小説には私見だが2種類のもの(分かりやすく端折るなら、リアリズムと入れ物としての形態としての私小説の2つ)があり『私のは後者である』ということわりがあって始まるのです。最初は妻の結核の看病から始まり、今の私の自分の日常、そして回想へと連なってゆくのですが、その境目がとても微妙で、文章から文章への区切れがとても曖昧に感じます。もちろん曖昧模糊にしているのだと思いますが、その技術が素晴らしく、読みふけっていると意識が埋没してゆく錯覚に陥ります。そのうえで、とてもおかしな仕掛けがあって、それがまた凄かったです。 自身は医者であり(眼科医、どうやら本当のようです ウィキ調べ)、医学的知識を述べながらも客観性を残しているように見せ、その上でとても背徳的でどうしようもなくストレートな表現を用いて吐露します。 後は読んでいただくしかないのですが、この作品が発表されたのが昭和42年、そんなに昔じゃない気もしましたが結構前のことですね。これは凄いと思いました。私小説であり、告白ものであり、幻想ものであり、なんだか勝手なカテゴライズを拒否するかのようなものでした。 「田紳有楽」もかなり凄い飛び方ですが、これはもうSFみたいな感じですし、インドも入ってますし、湯呑もアレですし、凄いです。ただちょっと飛びすぎな感じで私の好みは「空気頭」でした。これを映画にしたら、多分かなりのカルト映画に出来そうです。ただ、シュールさとスケールの大きさは「田紳有楽」でしょう。私の読書体験で言いますとちょっと安部公房さんに近いテイストかもしれません。 変わった読み物を求めている方にオススメ致します。
13 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
極私小説,
By 順 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 田紳有楽・空気頭 (講談社文芸文庫) (文庫)
私小説を突き詰めるとこうなるという見本である。 シュールさは安部公房をも 軽々と凌ぐ。 藤枝さんが自らの全集すべてに
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