深夜のバー。小学校のクラス会の三次会。四十歳になる男女五人が友を待つ。
大雪で列車が遅れ、クラス会同窓会に参加できなかった「田村」を待つ。
「田村」は小学校での「有名人」だった。有名人といっても人気者という意味ではない。その年にしてすでに「孤高」の存在であった。
貧乏な家庭に育ち、小学生にして、すでに大人のような風格があった。
そんな「田村」を待つ各人の脳裏に浮かぶのは、過去に触れ合った印象深き人物たち。
今の自分がこのような人間になったのは、誰の影響なのだろう----。
四十歳になった彼らは、自問自答する。
それにつけても田村はまだか? 来いよ、田村。
酔いつぶれるメンバーが出るなか、彼らはひたすら田村を待ち続ける。
そして......。
自分の人生、持て余し気味な世代の冬の一夜を、軽快な文体で描きながらも、ラストには怒濤の感動が待ち受ける傑作の誕生。
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17 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
設定は秀逸だけど。。。,
By まるまる (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 田村はまだか (光文社文庫) (文庫)
ラストには怒涛の感動が待ち受ける。どこが? 吉川英治文学新人賞受賞作。 これで? そんな感想です。 設定は面白いんだけど、「田村はまだか」と引っ張りに 引っ張った挙句、このオチですか。 どんな結末が待っているのかと期待した分、 かなりがっかりしました。。。 同級生それぞれのエピソードも、中途半端。 もっと田村の人物像を掘り下げた方が良かったのでは? 田村の魅力が全然伝わってきませんでした。 やりたいことは分かるんだけど。 惜しい感じです。
28 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
どうしても会いたい人。,
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レビュー対象商品: 田村はまだか (ハードカバー)
まだ現れない田村を待ちつつ、小学校のクラス会から流れて三次会。男3人女2人の元同級生が語る半生。スナックのマスターの目線も交えつつ 田村が登場するまで、ぐいぐい引かれて読まされる。 40歳になる同級生たちの胸に去来するのは、強烈な印象を残した田村にまつわる 思い出であり、その後の人生のどうにもならなさであり、しかしながらこの先への ほのかな期待でもある。 呑みながら、5人がそれぞれに語り、思い、田村を待つ時間はじりじりと読み手をも せき立てるようだ。 小学6年生にして「孤高」の存在であり、生きるということの本質をずばりと 言ってのけた田村。 人がここに「在る」ことの無二の意義を堂々と口にした人物だ。 その田村のその後の話をぽつぽつとはさみつつ、男女5人の半生が交錯する。 日常が語られ、苦い経験が語られ、生きていくことのしんどさも身につけた処世の術も 40歳という年齢相当のリアルさだ。 待って待って、やっと読み手も田村にたどりつく、その登場のしかたも なんという衝撃的な!! 会話がいきいきと躍り、文体も短いセンテンスでテンポよく、なにより ここにいない田村を待つ期待感がこの作品に明るさをもたらしている。 田村に関係するある人物をほのかに匂わせるあたりの塩梅もとてもよかった。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
なかなか来ない田村を待ちながら、過去の “痛いところ”が胸をよぎる,
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レビュー対象商品: 田村はまだか (ハードカバー)
今最も注目されている、北海道小樽市出身で札幌在住の女性作家、朝倉かすみによる’09年、「第30回吉川英治文学新人賞」を受賞した全6話からなる連作短編集。3月4週の金曜日深夜、札幌ススキノ、小さなスナック・バー「チャオ!」の店内。小学校のクラス会の3次会。5人の40才になる男女が、遠方から遅れてやってくる田村久志を待っている。「田村はまだか」とつぶやきながら。 マスターの花輪春彦も加えて6人の胸のうちに、それぞれ入れ替わるように呼称が形容詞から固有名詞に変わって、なかなか来ない田村を待つ間に、過ぎ去った“痛いところ”が浮かぶ。それらは仕事であったり、不倫であったり、離婚であったり、ほのかな恋心であったりする。40年生きていれば誰もが経験する(かもしれない)し、胸に抱く(かもしれない)類のエピソードである。人生の機微というにはおおげさだが、40才という年齢に達した彼らの、彼らなりの心象風景が、あくまでさらりと描かれてゆく。そしていよいよ田村である・・・。 本書からは、「こころが波打つような」「怒濤の」感動をすることはできなかったが、私にとっては同世代に当たる著者・朝倉かすみがこの物語に託した、「いろいろあったが、『明日』がある」というような応援歌的メッセージを受け取ったような気がした。
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