田中角栄という稀代の政治家はなにものだったのか?
著者の回答は、昭和という時代を体現した男となる。
その言に異論はない。
翻って、平成が二十年以上もたった現在。
最後の田中の弟子と言われる小沢一郎によって、まるでデジャブーのような現象が繰り返されている。
この三十年、政治はまったく進歩していないことが、今まさに現在進行形で明らかになっている。
しかし、それは同時に、著者の視点から言えば、国民がまったく進歩していないことの証明なのだ。
もはや、民主主義そのものが限界点を向かえているような気がしてならない。
内容に比して、点数が低いのは、この文章にどうしてもなじめないものを感じるからだ。
文体は昭和という時代を感じるリズムが好ましくすら思える。
しかし、文意が十分に伝わらない記述があまりにも多すぎるのだ。
一文の中ですら、著者の視点が混乱しているように思える。
結果としてすらすら読めてしまうのに、いったい何を言っているのかよくわからなくなり、
ページをいきつもどりつし、あげくには自分の頭の中で、いくつも文章を訂正していた。
さすがに、これでは高評価にはならない。