著者は昨今話題の「官邸崩壊 安倍政権迷走の一年」の上杉氏です。本書は、
田中真紀子氏が小泉元首相の支援者として登場し、外相となり、更迭される
までの2年間を追った取材記録です。小泉政権から安倍政権、そして福田政
権に至る昨今のお茶の間劇場系政治の原点は、田中真紀子外相にあったこ
とが読み取れます。メディアは当時、絶大な人気を博していた田中氏の批判
記事を掲載することはご法度とばかりに、田中氏の真実を秘匿し、持ち上げ
続けた事実が明らかにされています。政策ではなく政局先行の小泉元首相と、
視聴率を上げるためなら手段を厭わないメディアの思惑が融合したのが所謂
小泉劇場でした。いみじくも小泉氏が述べたように、国家の最高指導者であ
る総理大臣でさえ、メディアの視聴率の道具として使い捨てられるというポピ
ュリズム政治は極めて危険な側面を孕んでいるといえます。