日本民藝館って、何度か行った駒場の東大のすぐ側に1936年の昔からあったなんて、ぜんぜん知りませんでした。気がついてれば何度でも行けたのに、今となっては残念無念でした。
この本は、たった176頁ですが大型本で、写真に撮られた漆器・陶磁器・沖縄の器・家具・調度品・着物・彫刻・絵画・石仏・絵馬なんかは、みんな自信に満ちて美しい光彩を放っています。
柳宗悦が、日本全国の無名の作り手たちの日用雑貨・器に美を発見して、腕によりをかけて選んで蒐集した逸品が勢ぞろいしました。
ここでは、なんでも鑑定団的な骨董品・美術品の目利きは挫折するしかありません。名人が作ったとか、伝統的なとかいう価値観はまったく役に立たたないからです。
ただ使えば使うほど底光りするような、素朴美とでも呼ぶような、ジワーと身震いして感極まった感動が押し寄せるとでも表現するのでしょうか。
言ってみれば、単なる道具にすぎないはずなのに呼吸しているようにみえる、人間そっくり、の感じ。きっと、作った人と使った人の魂が交感して、モノに生命の原初形態が宿ってしまったのに違いありません。
登録日 : 2009年07月15日 12:03:00